LG電子 GGW-H20Nの記録性能・相性等の検証ページ 2

LG GGW-H20N Burn Quality Test


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Blu-ray Disc再生負荷テスト

再生負荷テストとは何ぞや?と思われた方もいらっさるかと思われますが、1ページ目でも挙げた通り、このドライブはCPUもさることながら、推奨スペック上でビデオカードにGeForce7900GTや8600シリーズ、Radeon HDといった比較的新しい製品や前世代の上位製品というかなり厳しい条件を要求されます。
「ディスク再生するだけなのに何でビデオカード? 別に3Dとかやんないよ」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
ハイビジョン映像は1920x1080という、実にDVDの6倍の解像度で再生されています。そのためビデオの再生のためにCPUにかかる負荷も6倍となり、これらを引っかかりなくスムーズに再生するには高いスペックのCPUが必要となります。そこでビデオカードにこういったビデオファイルのデコードに特化した回路を組み込んで、そちらでデコードを行わせることでCPUにかかる負荷を軽くしようとか考えたえらい人がいます。この機能が割と新しいものであるため、Blu-rayの再生には新世代のチップを搭載したビデオカードが要求されるわけです。
現在、ビデオカードに搭載されている動画再生支援機能にはいくつか種類がありますが、特にビデオカード市場の主流であるnvidia社とATI(AMD)社のGeForceとRadeonについて、その再生支援機能をCPU占有率グラフで比較してみようと思います。



再生実験に使用するディスクは以下の2枚です。
Mpeg2 HD AVC HD
ソース フジテレビ系月9ドラマ「ガリレオ」 第1話 "燃える"
(解像度1920x1080 再生時間2分)
使用CPU Intel Core2Quad Q6600 @ 2.7GHz
再生OS Windows Vista Home Basic
再生ソフト CyberLink PowerDVD 7.3 Ultra
エンコーダ CyberLink PowerProducer v5
(GGW-H20Nバンドル版 HD画質設定)
Nero 8 Trial版 AVC-HDディスク作成
(ビットレート14Mbps設定)
ビデオ形式 Mpeg2 HP@HL H.264 AVC
使用ディスク Panasonic BD-RE 太陽誘電 DVD-R

なお、CPUについてはタスクマネージャから「全てのプロセスの関係の設定をコア0のみに指定」した上で、
「完全idle状態となったコア3にPowerDVD.exeのみを割り当てて純粋なCPU占有率を判定」しています。






PureVideoをサポートしていないプレイヤー(Nero ShowTime)で再生を行った場合

Mpeg2 HD

AVC HD

動画再生支援機能の無い環境でのCPU占有率はご覧の通り。
単一コアとはいえ、intel Coreアーキテクチャの2.7GHz動作CPUが70%占有されます。
つまり動画再生支援機能無しではシングルコアのCeleronじゃ再生無理ということです。
とりあえずデュアルコアプロセッサを搭載してればOKだとは思いますが、
1.6GHz程度のCore 2 Duoでは再生中は何もできなくなる程重くなること請け合いです。





Galaxy GeForce7600GS-Z GDDR3 256MB
(ノーマルPureVideo世代のGPU)

Mpeg2 HD

AVC HD

PureVideoが最初期に登場したのはGeForce6600シリーズで、この頃はまだ対応もまちまちで、
ハードウェアによる完全なH.264デコードなどといった事は行われていませんでした。
Mpeg2 HDのCPU使用率も下がっていることから、どうやらHD画質のMpeg2のデコードも可能ではあるようです。
しかしH.264フォーマットであるAVCコーデックのデコードにはやはり対応しておらず、CPU使用率が50%付近まで上昇しています。
Blu-rayディスクは市販品でもAVCコーデックを採用したものも多いですが、PV1世代のカードでもMpeg2形式のものならば低スペックPCでも再生ができそうです。








XFX GeForce 7900GS XXX 600M
(ノーマルPureVideo世代のGPU)

Mpeg2 HD

AVC HD

こちらもPureVideo1世代のGPUですが、7600GSと比べて上位製品であろうと特に再生支援機能に変わりはないようです。








XFX GeForce8800GT 512MB
(PureVideo HD世代のGPU)

Mpeg2 HD

AVC HD

こちらはPureVideo HDを搭載し本格的にHD再生に対応した8800GT。
ご覧の通り、Mpeg2再生時もAVC再生時もほとんどCPUに負荷がかかっていないことが判ります。








Colorful Radeon HD 2600PRO GDDR3 256MB
(UVD搭載のGPU)

Mpeg2 HD
まともに再生できない







AVC HD

こちらはATIのRadeon HDを搭載したカードです。とりあえずGGW-H20N付属のPowerDVD7.3 UltraはUVDに対応してるようです。
こちらもUVDによりMpeg2の再生支援が行われており、CPU使用率が低く抑えられています。
・・・・・・が、どうもWindows Vista環境下ではうちのPC環境との食い合わせが悪かったのか判りませんが、
再生を始めると急にマウスカーソルのレスポンスが悪くなり、CPU使用率は特に高くないのに酷いコマ落ちと共にOSが重くなり、
まともに再生ができないという現象に襲われてしまいました。なので仕方ないのでAVCのみWindows XP環境で再生することにしました。

Windows XP環境でのAVC HD再生

WindowsXP環境下ではAVC HD再生も問題なく、CPU占有率も低い良好な結果が得られました。



以上の結果をまとめたものをグラフにしてみました。


Mpeg2 Playback

H.264 AVC Playback

無印PureVideoではやはりAVCのデコードが行えていないのが欠点ですね。
Mpeg2の再生支援機能では、CPU占有率はnVidiaのPureVideoが若干低い感じを受けます。
ただ、UVDはVC-1の再生時にPureVideoに対するアドバンテージが大きくなるらしいので、
今後VC-1の再生比較についても行ってみたいと考えています。

再生支援機能による効果は非常に大きく(特にH.264)、デュアルコア以外のCPUでの
HDコンテンツ再生の可能性はやはりビデオカードに頼ることになりそうです。
特に効果が体感できるのはPureVideo HDとUVDですので、低スペックPCでのHD再生を考えるならターゲットはこの2つに絞られるでしょう。
UVDやPureVideo HDを搭載したビデオカードはローエンドなら最安で\6000程度から販売されていますので、
HD再生のためにCPUとマザーボードを新調するよりも、ビデオカードの増設を考えてみるというのも手だと思います。




各再生支援機能について
DVD再生支援 Mpeg2 HD再生支援 AVC(H.264) HD再生支援 VC-1 HD再生支援
PureVideo ◎(*1) ○(*2)
PureVideo HD
Avivo HD
UVA(*3)
UVD
(*1 ローエンド製品では一部デインターレース機能等が省かれているもの有)
(*2 GeForce 6800Ultra、6800GTは×)
(*3 UVAはほとんどAvivo HDと同じものと考えて良いのではないかと)



各機能を搭載しているカード
PureVideo PureVideo HD Avivo UVD UVA
nVidia GeForceシリーズ ATI Radeonシリーズ
GeForce 6200TC、6600、6600GT、
7300GS、7600GS、7600GT、7900GS、
7900GT、7950GT、7900GTX、7950GX2、
8800GTS、8800GTX、8800Ultraなど
GeForce 8400GS、8500GT、8600GT、
8600GTS、8800GT、G92版8800GTSなど
Radeon X1xxxシリーズ Radeon HD 2400PRO、2400XT、
2600PRO、2600XT、2600XTX2、
3850、3870など
Radeon HD2900XT、
2900Pro、2900GTなど


各ビデオカードの簡単な3Dベンチマーク結果等を別ページにまとめていますのでそちらもご参考までにどうぞ。



BD-R/BD-REメディアの記録を行うにあたって。

 大分価格も安くなり1枚\1000を切るメディアが大手家電量販店でも見られるようになったとはいえ、まだまだBD-Rメディアは高額。
BD-REならいいけどBD-RをCDSpeedで速度グラフ取得するためだけに無駄にしたくはないと考える人も多いかと思います。

そこで、まずBD-Rについてはメディアの検証からでなく、必要なデータを記録しつつCDSpeedで速度グラフを取得する経済的な方法について考察しておきたいと思います。


 まずは既知の事実から入りますが、CDSpeedには「データディスク作成(Create disc)」というコマンドがあり、
実際にディスクに記録を行い各部位での記録スピードをリアルタイムにグラフィカルに取得することができます。
しかしこのコマンドには欠点が一つ存在します。実際に記録されるのはダミーデータであるため、
データディスク作成によってできるディスクは使用することのできない只のコースターになってしまうのです。

 これを回避するため、データディスク作成には「burn imagefile」というオプションが存在します。
これはデータディスク作成時に記録されるダミーデータを、HDD上の既存のイメージファイルで代用するというものです。
このオプションを用いて記録されたディスクの内容はイメージファイル本来の内容となり、そのまま使用することができます。
しかしBD-Rの場合対応ソフトが少ないためイメージファイルの生成自体が困難な上、生成したイメージファイルは正常に記録できない事が多いです。
この問題を解決して、イメージ焼きしつつ速度グラフを取得できる方法を検討しようっていうのがここでの課題です。


 BD-Rディスクは、通常UDFという形式でフォーマットされ使用されます。
UDFとはUnicersal Disc Formatの略で、OSに依存せず読み出せる形式としてDVD等で用いられるようになった規格です。
PanasonicのBDドライバー然り、CyberLink社のPower2Go然り、nero8然り。現行で存在するほとんどのソフトはBD=RにUDF形式で記録を行います。
しかし、CDSpeedのburn image fileでは、UDF形式でまとめられたISOイメージファイルを読み込もうとするとエラーが出てしまいます。
このため、現行のCDSpeedで扱うにはISOイメージをCD-Rで採用されている標準のISO9660形式で作成する必要があります。

とはいえ、現在一般的なBDライティングソフトは例えばnero8やPower2Go等がありますが、それらはUDF形式での記録にしか対応していません。
(Power2Goに至ってはHDD上のファイルからダイレクトにISOイメージを構築する機能がそもそもありません)
そこで、今回はBD-Rに対応したフリーのライティングソフト、AVS Data Burnerを利用します。

こちらがAVS Data Burnerを立ち上げたところ。まずDisc structureからCreate ISO-Imageを選択し、ISOイメージの出力先パスを指定します。


次に、中央のウィンドウに記録したいファイルをドロップしていきます。この際、ファイルの総容量は22800MBまでに抑えるようにしましょう。
これを大きく超えると、CDSpeedでの記録時に容量が大きすぎると怒られます。
記録容量をちょうど28000MBにするためには、極窓等を使って任意サイズのダミーファイルを作成すると良いでしょう。
準備ができたら右上のCreateボタンを押します。



ディスクラベルを入力しファイルシステムをJolietに設定してCreateボタンを押せばISOファイルの出力が開始されます。



 ちなみに設定できる項目が多いためやや難しいかもしれませんが、CDRecord フロントエンドでも同じことができると思います。
但しCDRecordフロントエンドだと、Windows Vista環境では正しいイメージファイルが生成されないようです。


それでは次にCDSpeed側の準備です。

オプション設定項目にて、設定すべき箇所は2箇所です。
まずは「ストリーミング(streaming)」という所。BD-REなんかはデフォルトではベリファイが行われるため、
これをonにしておかないと記録速度が通常の半分になります。
但しこれは信頼性と引き換えなので、チェックするかどうかは任意で良いかと思います。
また、通常DVD等で記録を行う際は「テストデータを含める(Include test data)」にチェックを入れておくのですが、
BD-Rですとどうもテストデータが正常に追加できないようで、これがonになっていると記録終了直前でエラーが出てしまいます。
ですのでディスク品質等のタブで記録ドライブと記録速度が表示されなくなるのは痛いですが、BD-Rの場合はこの項目はチェックを外しておきましょう。


そしてデータディスク作成(Create Disc)のタブ。Burn imageにチェックを入れて記録を開始すれば、ファイル参照ウィンドウが開き、
先ほど出力したISOファイルを選択できるようになります。ISOファイル選択後エラーが出なければ成功。焼きあがるのを待ちます。






ちなみにAVS Data Burnerは普通のライティングソフトとしても優秀ですが、BDを普通に記録したい場合は素直にUDFで焼いた方が良いと思います。


そういえば、余談になりますが、PanasonicのLF-MB121JDのファームウェアBD03でこの方法を用いて記録した場合、
ベリファイ通さずにしっかり2倍速で記録することができました。(include test dataをチェックしてたので最後エラーが出てますが)




BD-R検証


BD-RとBD-REについての検証を行ったわけなんですが、とりあえずそれについて判った注意点等をまとめておきます。

  • BD-Rは焼き速度がそのまま読み速度になる。高速で焼いた方が読み出しも速いので後々便利
  • 但し、途中で減速してしまうと最終的な焼き速度が読み速度になってしまうため、くれぐれも無理は禁物
  • 6倍速は内周部分の速度が遅いので、読み出し時の事も考えたら全周一定速度の4倍で焼くのが大正解。6倍焼きはぶっちゃけ無駄
  • BD-REは実は2倍速じゃなくて2.3倍速。1-2倍ディスク使うならBD-REの方が速い
  • 値段の面でもパフォーマンスの面でも、何も考えずに三菱のBD-R 2xを4倍で焼いとくのがいいんじゃないかって話






三菱化学メディア BD-R 2x "VHR130N1"

\980/枚(コジマ電機)
記録速度グラフ

6倍速までの速度違反が許可されています。
4倍への移行が始まって2倍メディアはそろそろ投売り状態なので、コストパフォーマンスは抜群です。
転送レートテスト他

読み速度もしっかり6倍速。2倍速に慣れてる身としてはすごく高速に感じます。
スキャンディスク

残念ながら現在はまだBlu-rayディスクのLDCやBIS計測を行えるドライブがないため、
どのくらいのエラーレートで書けてるかは判りませんが、とりあえず読み出しは問題なさそうです。


TDK BD-R 2x "BDD-R25S"

\980/枚(LaoX Computer館)
記録速度グラフ

このメディアにも4倍速の速度違反記録が可能です。
転送レートテスト他

こちらは読み速度は4倍速となりました。
スキャンディスク

とりあえずエラーはなし。速度はここでも4倍速。
どうやらBD-Rメディアは焼いた速度がそのまま読み速度になるようです。


Panasonic BD-R 2x "LM-BR25D"

\1780/枚(TSUKUMO)
記録速度グラフ

こちらは速度違反はできず、2倍速・・・・・・ってあれっ!?
転送レートテスト他
-
スキャンディスク


なんと、第一人者である筈のPanasonicのBD-Rで焼きミスしてしまいました。
後でもう1枚買ってきて試すつもりではありますが、どうしたPana・・・


SONY BD-R 2x "BNR130A"

\1080/枚(コジマ電機)
記録速度グラフ

こちらも速度違反は許可されておらず、2倍速です。
関係ないけどSONYさん、何気に3年前に公表した透けるBD-R商品化してたんですね。透けるよこいつ・・・
転送レートテスト他

読み速度は2倍速。やはり焼き速度がそのまま読み速度です。
スキャンディスク

とりあえずエラーはなし。


MR.DATA BD-R 2x "MBDR25-2X1P"

\980/枚(FirstMediaShop)
記録速度グラフ

海外系です。さすがに速度違反はできませんでした。
転送レートテスト他

こちらのディスクも2倍速。
スキャンディスク

とりあえずエラーは無しなので深刻な問題はなさそうです。


TDK BD-R 4x "BDD-R25A"

\1680/枚(FirstMediaShop)
記録速度グラフ

6倍速指定……なんですが、終盤で2倍速に落とされてしまいました。
転送レートテスト他

読み速度も2倍になっちゃうんですかコレ・・・どうも焼き終わりの速度が読み速度になるようです。
無理せずに4倍速で減速させずに焼ききった方が全然良かった気がします。
スキャンディスク

減速してますが、とりあえずエラーはなし。でも計測ができるようになったら果たしてどうだか・・・


Panasonic BD-R 2x "LM-BR25LD"

\1680/枚(ヤマダ電機)
記録速度グラフ
-
転送レートテスト他
-
スキャンディスク
-






BD-RE検証


このドライブ、単層BD-REはどうやら記録速度や読み速度が2.3倍速になるみたいです。
2.0倍と2.3倍だと理論値でも5分くらい書き込み時間が違ってくるので、記録品質さえまともなら地味に嬉しい点かもしれません。


Verbatim BD-RE 2x (GGW-H20N付属メディア)

\0/枚(GGW-H20N付属メディア)
記録速度グラフ
転送レートテスト他
スキャンディスク


TDK BD-RE 2x "BDD-RE25S"

\2680/枚(ヨドバシカメラ)
記録速度グラフ
転送レートテスト他
スキャンディスク


Panasonic BD-RE 2x "LM-BE25D"

\0/枚(LF-MB121JD付属メディア)
記録速度グラフ
転送レートテスト他
スキャンディスク


SONY BD-RE 2x "BNE130A"

\2480/枚(ヤマダ電機)
記録速度グラフ
転送レートテスト他
スキャンディスク


MR.DATA BD-RE 2x "MBDRE25-2X1P"

\1180/枚(FirstMediaShop)
記録速度グラフ
転送レートテスト他
スキャンディスク


Panasonic BD-RE DL 2x "LM-BE50D"

\5980/枚(TSUKUMO)
記録速度グラフ
転送レートテスト他
スキャンディスク

とりあえずBD-REについてはどれも問題はなさそうということで。