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-IO-DATA DVR-UN16FAに使われてるケースの検証-


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IO-DATA 16倍速外付けドライブ(\9800@TSUKUMO)

第2回は、IO-DATAから販売されている外付けドライブに使用されているケース部分をバラして
他のドライブで使ってみようという企画です。
外付けケースは単体では販売しておらず残念ながら非売品となりますが、
古いドライブのケースを引っぺがして別のドライブを使おうとか考えてる方も広い日本には結構いるはず…
このケースを使う上で一番のネックになるのは多分電源の弱さなので、
その辺りが動作にどう影響してくるのかが気がかりです。

ちなみに同じIODATAから販売されているものに挑戦者ブランドの外付けケースがありますが、
スペックとしてはそのUSB/IEEE1394のツインモデルのものに近いかもしれません。

製品名 DVR-UN16FA のケース部分
販売元 IO-DATA
デバイス名 USB大容量記憶デバイス(USB2.0 IDE Bridge)
電源 MODEL IO-DATA(加賀コンポーネント製)
AO-ACADP1510A(TAS0800)
INPUT AC100V
50-60Hz 44VA
OUT 5V 1.5A
OUT 12V 1.0A




こちらが外観です。


分解したところ。


チップ部分にはWorkbit社の優チップ、D84734Aが採用されています。
同社が2005年後期より出荷を開始した省スペース型USB2ATAブリッジ、USAT-3LというLSIです。



元々NEC製ドライブでの使用を前提にしているところがある製品のため、
電源は1.5A/1.0Aとかなり弱めに書かれています。
この定格で収まるのってNEC製ドライブのほかに無い気がするんですが…
実際のところはちょっと疑問が残ったので、その件については総評にて後述します。
製造元は加賀コンポーネント株式会社(KGCOMP)。扱いは一応日本のメーカーのようです。







検証結果

変に溜めた所で仕方ないので、一覧表にして手っ取り早く結果を表示しました。
それぞれドライブ名をクリックするとドライブ毎の結果の位置へジャンプします。

ドライブ名 バーストレート ドライブ速度 Transfer Rateでの最高速度 実際に焼いた時の速度と挙動
AD-7173A 30MB/s 18x 18xまでOK 18xまでOK
DVR-111 28MB/s 16x 16xまでOK 16xまでOK
DW1655 22MB/s 16x 15xで減速 15x手前で減速
DW1670 30MB/s 16x 16xまでOK 16xまでOK
EW164B 28MB/s 16x 16xまでOK 16xまでOK
GSA-H12N 30MB/s 18x 18xまでOK 18xまでOK
GSA-H22N 27MB/s 18x 17x付近で減速 16x焼きなら問題なし
PX-760A 29MB/s 18x 16.5x手前で減速 16x焼きなら問題なし
LH-18A1P 28MB/s 18x 18xまでOK 18xまでOK
SH-S182D 25MB/s 18x 16.5x付近で減速 16x焼きなら問題なし
SW-9587 27MB/s 16x 15.8xくらいでふらふら 15.8xくらいでふらふら







以下、ドライブごとの検証結果









ソニーNECオプティアーク AD-7173A


各種リードテスト





書き込み転送速度テスト





実際の書き込みテスト




このケースでは18倍速まで上がりきってくれました。
NEC系ドライブは問題なさそうです。






Pioneer DVR-111


各種リードテスト





書き込み転送速度テスト





実際の書き込みテスト




相性が出ることもなく、こちらも最後まで上がりきってくれました。
デバイスバッファの挙動も特におかしい所はなく、良好な環境で焼けていると思います。






BenQ DW1655


各種リードテスト





書き込み転送速度テスト





実際の書き込みテスト




さすがにBenQは無理でした。15xまでは行ったんですけどね…残念。






BenQ DW1670


各種リードテスト





書き込み転送速度テスト





実際の書き込みテスト




DW1670は消費電力1.8A/1.6Aとこのケースでは全然足りてないわけですが……
それでもきっちりと16倍速出てくれました。バッファも特におかしい所はありません。

・・・というか、実はBenQのドライブって電力の表記が結構いい加減な所があるので、
ドライブによっては表記通りの消費電力だとは思わない方が良いかもしれません。






BenQ DW1640 @ EW164B


各種リードテスト





書き込み転送速度テスト





実際の書き込みテスト




やはりDW16xx系ドライブの速度が出ない原因はファームにありそうで、
EW164B化すれば速度はちゃんと出てくれるようです。






HL-DT-ST GSA-H12N


各種リードテスト





書き込み転送速度テスト





実際の書き込みテスト




外周がちょっとだけ怪しくなっているものの、IDE-35USと比べるとかなり安定した18倍焼きグラフです。






HL-DT-ST GSA-H22N


各種リードテスト





書き込み転送速度テスト





実際の書き込みテスト




転送レートテストの時点で明らかに18倍は駄目っぽかったので、16倍で焼いてみました。
とりあえず16倍なら問題なさそうな感じです。






PLEXTOR PX-760A


各種リードテスト





書き込み転送速度テスト





実際の書き込みテスト




転送レートは16倍強までいきましたが、残念ながら18倍に届かせるのはかなり難しいようです。
16倍焼きなら一応問題なさそうです。
しかし……電源ゼンゼン足りてないのに18倍で普通に焼けるのは一体どういう事なんだか。





LITEON LH-18A1P


各種リードテスト





書き込み転送速度テスト





実際の書き込みテスト




こいつは余裕です。IDE-35USの時にあった最後バッファが少しだけ落ち込む現象もありません。
なにげにNECドライブよりも相性緩いですね。






東芝サムスン・ストレージテクノロジー SH-S182D


各種リードテスト





書き込み転送速度テスト





実際の書き込みテスト




何気に外付け化が厳しいTSSTのドライブ。このケースでは17倍弱までは出るんですが、
18倍はやはり無理そうな感じです。16倍焼きなら全く問題なし。






パナソニック四国エレクトロニクス SW-9587


各種リードテスト





書き込み転送速度テスト





実際の書き込みテスト




松下のドライブも16倍きっちりまで出すのは結構難しいみたいです。
IDE-35USの時と同じく、使用にあたっては問題なさそうですが。





IO-DATAの外付けケースの総評

IDE-35USと比べてかなり速度が出るドライブが多く、やはり優チップは優秀なようです。
ただ、この電源で何でどのドライブも平気で動作するんだろう…と思ったわけです。
で、ちょっと入力を見てみるとなんだろうこの差。
5V出力 12V出力 入力
IODATAのケース
(加賀コンポーネント製)
1.5A 1.0A 44VA
AREAの三刀流男組2
(FlyPower製)
2.0A 2.0A 45VA

Wというのはご存知電流x電圧ですが、VAというのは実際の動作の際に無駄になるエネルギーも含めた値になります。
三刀流男組を見てみると、出力は12x2+5x2で合計34Wですから、無駄になったエネルギーは11W。
大してIODATAの方は12x1+5x1.5で合計19.5W。するとこれって23.5Wも無駄が出てる計算になります。
加賀コンポーネントの電源ってFlyPowerのに比べてこんなにも無駄が多いのか……?
否。いくらなんでもそれはないんじゃないでしょうか。
思ったんですが、PC用のATX電源を見る際によく「ワット数だけを見て決めるな」って言いますけれど、
ひょっとすると外付けケースの電源にも同じことが言えるのではないでしょうか?
かなり余裕をもった表記になってるのか、それともFlyPowerの2A表記がかなりギリギリなのか……
ともかく、電源容量に不安があるのは事実ですが実際プレク系とかでも16倍出ちゃってるのも事実なので、

変換ブリッジの性能は高く外付けケースとしてはそこそこに優秀。
電源容量に不安があるが、ちょっとくらいのオーバーなら普通に動いちゃう。


こんな評価でいかがでしょう?