クレバリーオリジナル Radeon HD 2600PROの3D性能・オーバークロック耐性等の検証ページ |
HD環境に移行するにあたり、HD映像のデコード支援可能なビデオカードを考えたが、 LG電子の『全部入り』ドライブGGW-H20Nの登場によりBlu-rayドライブがどんどん廉価になってきた今、FullHDの再生環境を整えるためにドライブを購入しようとなると、まずFullHDに対応したモニタが絶対必要(いや別にFullHDじゃない解像度で見たいならモニタ要りませんが)、そしてできるならばHD映像の再生にかかる大きな負荷を軽減するため、HD映像再生支援機能の付いたビデオカードがほしいところです。そこでGGW-H20Nのページにて、PureVideo HDやUVDを使用した場合どのようにパフォーマンスが改善されるのかという実験を致しました。 でもせっかくビデオカード買い換えるんならできれば3D性能も良いものが欲しい! しかも高解像度モニタやBDドライブとかで出費が重なった財布にやさしいお値打ちなモデルならなおさら素敵。 ・・・え? それ単なるお前自身の都合じゃねーのって? その通りですが何か? そんなわけで、新旧世代のミドルレンジビデオカードのベンチやってみよう、ということになりました。旧世代のミドルレンジビデオカードといえばnVidia自ら傑作と言い放ち、現在でも市場に残り販売されているGeForce7600GS、7600GT辺りが妥当かと思いますので、特に7600GSとそのオーバークロックモデルとの比較を行ってみたいと思います。 初めに断っておきますが、筆者自身は本来DVD-R特化型な偏った知識を持った人間なので、特別ビデオカード等に詳しいわけではありません。そのため比較として十分なテストを行うことはできないかと思いますが、その辺はどうぞご了承いただいた上で、皆様方自身の知識により本結果をフィルタリングしてご覧ください。 (*1) LGが発売延期でもたもたしてる間に、世にはGeForce 8800GTやRadeon HD 3870等の高性能かつ廉価かつ爆熱かつHD再生支援可能なカードが既に出回ってきました。そこで今回はそれらの一部も交えてベンチマークをとっています。 ■Galaxy GF 7600GS-Z/256/D3 (購入価格9000円程度) Galaxy Techより発売され大きく話題を呼んだ過去の名機、GeForce7600GSのオーバークロックモデルです。 ※GeForce7ファミリー ミドルレンジビデオカードスペック比較表
上の表を見てもらえれば判るかと思いますが、7600GS-Zはコアクロックこそ7600GTに届きませんが、搭載メモリが本来800MHz(1600MHz)での動作に対応したもので、手動でオーバークロックを行うことにより(理論的には)どの個体もほぼ確実にメモリクロックが800MHz以上で動作する仕様になってます。 ■ASUS EN7600GS SILENT/HTD/256M (購入価格8500円程度) OC版の76GS-Zは7600GTとほぼ同等もしくはそれ以上のパフォーマンスを持っているため、定格7600GSのサンプルとしてASUSTekのファンレス版もテストしました。ボード後ろまでせり出したよく冷える巨大なヒートシンク、1スロット低消費電力設計、付属ソフトとバランスが取れており、splendedやASUSのブランドイメージもあってたぶんGeForce 7600GSの中では日本で一番売れたモデルじゃないでしょうか。 接続端子はDVI-D、D-Sub、TV-Outの3種類です。 ■XFX PV-T71P-UDD7(GeForce 7900GS XXX 600M) (購入価格12000円程度) こちらはGeForce7ファミリーのアッパーミドル、及びロー・ハイエンドという位置づけのGeForce7900シリーズバリューモデル、GeForce 7900GSのオーバークロック版です。XFXから発売されたモデルで、リファレンスファンのままでコアクロックを150MHzも引き上げるという無茶をやらかしているせいで基盤自体がものすごい熱を持ち、そのままではまともに取り回すことすら難しいクセモノボードです。 7900GSは上位機種の中でもコストパフォーマンスが良く、オーバークロック耐性もあって7600GTの上を狙うユーザーに非常に人気を博したモデルです。ニーズがあればそれに応えるメーカーも多く、オーバークロックモデルも数多くリリースされています。その中でもGalaxyのGeForce7シリーズ末期にリリースされたGF 7900GS-SPHと並んで最高位のクロックアップを施されているのがこのモデルで、パッケージの600M XXXの表記が光っています。 ※GeForce7ファミリー ハイエンドビデオカードスペック比較表
GeForce7900GSは動作クロックが7900GTと同じ、そしてシェーダユニット数が上位機種である7950GTや7900GTXと比較してvs1基、ps4基少ないだけという構成のため、7900GS ZZZ 600Mはかなりのパフォーマンスを発揮すると思われます。クロック比から考えて恐らく7950GTとほぼ同等、あわよくばそれを上回るパフォーマンスを出すであろうと思われます。 さすがに上位機種の7900GTXには勝てないでしょうが、それでも価格を考えるとコストパフォーマンスは驚異的であると言えましょう。 ■ZOTAC ZT-86SE250-FSP (購入価格15500円程度) DirectX10に対応したGeForce8ファミリーのアッパーミドルレンジボード、8600GTSを採用したZOTACの製品。HDCPやPureVideo HDに対応し、HD映像のデコード支援機能の充実したモデルです。 接続端子はDVI-Dが2端子とTVOutが1端子とHDMI端子はありませんが、DVI-HDMI変換プラグが付属しています。 8600GTSなんてパフォーマンスの微妙なもの本来このテストに含めるようなものじゃないんですが、TSUKUMOで\15000強で投げ売られていたので購入。この価格ならパフォーマンスは十分でしょう。8600GTSは8600GTの高クロック版とも呼ぶべき位置づけで、リファレンスクロックがコア675MHz、メモリ1GHzと高めです。 ※GeForce8ファミリー ミドルレンジビデオカードスペック比較表
GeForce8ファミリーの中でも動作クロックがかなり高めに設定されている製品であり、あまりOC耐性は期待できないのではないかという予想はしていましたが、本ロットの(安定動作する)OC耐用限界はコアクロック710MHz、メモリクロック1090MHz。予想通りクロックは殆ど伸びなかったため、定格でテストしています。逆に言えばこれの低クロック版であるGeForce 8600GTや更に低位の8500GTについては(メーカーごとのモジュールの差や個体差もあるでしょうが)冷却をしっかりすればオーバークロックマージンは大きいんじゃないかと思います。ただ8500GTはメモリがDDR2なのどうにかしないと駄目でしょうけれど。 また、本当の意味での8600GTとは少しスコアに違いが出てしまうかと思いますが8600GTSを8600GT相当にダウンクロックした状態で、あくまで比較用として擬似8600GTとしてのテストも行ってみました。以降のデータ中では単に8600GTと表記されていますのでご注意ください。 ■XFX PV-T88P-YDF4 (購入価格35000円程度) DirectX10に対応したGeForce8ファミリーのハイエンドボード、8800GTを採用した製品。ミドルレンジ以外にもやっとHDCPやPureVideo HDが標準で降りてきたため、購入してテストしてみました。 接続端子はDVI-Dが2端子とTVOutが1端子。HDMI端子はありませんので、HDMI出力したい場合は別途DVI-HDMI変換プラグ購入の必要があります。 8600GTSと大きく異なるのはSPの数で、8600GTSが32spであるのに対し8800GTは112SP、そしてメモリ帯域も256bitと、全体的に8600GTSの倍以上のスペックを備え既存の8800GTSスペックすらぶっちぎる既にアッパーミドルとは呼べない代物です。 ※GeForce8ファミリー ハイエンドビデオカードスペック比較表
難点は1スロットクーラーの排熱が追いつかずにフルロード時にかなり熱を持ってしまう事。FANを高速化することで改善されますが、信じられない爆音を伴いますのでFAN交換がデフォルトになりそうです。当サイトでもZALMAN VF900-Cuへの換装を行ったレポートを挙げていますので興味のある方はそちらをご参照ください。 オーバークロックマージンはコア・メモリ共に100MHz程。たかが100MHzされど100MHz。30000円台前半という価格にして下手すると8800GTXすら超えるパフォーマンスを発揮しますので、コストパフォーマンス重視かつかなり重いゲーム等もプレイされる方、PureVideoHDは絶対欲しいけどミドルレンジじゃ力不足って方にはかなりすばらしい製品だと思います。 ■CB-HD 2600PRO/256MB/DDR3/HDMI (購入価格11500円程度) こちらはAMD-ATIのRadeon HD2600PROを搭載したミドルレンジボードで、クレバリーオリジナルの品。恐らく中国の七彩虹というブランドのRadeon HD2600PRO-GD3 CF黄金版 256M H14の平行輸入品であると思われます。 RadeonHDはUVD機能や標準でのHDCPサポート、コストパフォーマンス等が人気を博し各メーカーから色々な製品が出てますが、ここではあえてコストパフォーマンスの良い2600XT GDDR3版ではなくクレバリーの2600PROを選んでみました。 RadeonHD 2600PROのGDDR3版は日本ではあまりみかけないキワモノっぽい立ち位置あんですが……2600XTが\14000弱まで値落ちしてる中、敢えて\11500のこいつを購入したのはOC耐性に期待があったからです。2600XTは熱いっていう話をよく聞くので、ZALMANライクな形状をしたよく冷えそうなファンに注目が行ったわけです。これならそこそこクロック上げても放熱追いつくんじゃないかと。 カード長はだいたい14.5cmほどと、通常のRadeon HD 2600PROよりも更に短く、2400PRO並のサイズです。PCI-Express規格としてはたぶん最短クラス。2スロット占有ですがスロットさえ開いていれば取り回しは楽だと思います。 接続端子はDVI-D、アナログD-sub、HDMIの全部付き。しかしS端子出力はありませんし変換プラグも付いてませんのでテレビ出力を考えてる方はご注意を。
オーバークロックを試みた所、ぎりぎり映る限界のクロックはコア830MHz、メモリ850MHzでした。ただこれだと3DMARKとか一瞬で落ちるので、もう少し実用可能な範囲を探ることにします。コア800MHz、メモリ800MHzでもやや怪しいので、両クロックをもう少しずつ下げてコア780/メモリ750で十分な安定性が得られました 2600XT GDDR3版のクロックが800/700なので、恐らくはそれにかなり迫るパフォーマンスを出せると思います。今回は定格、及びコアクロック780MHz、メモリクロック750MHz(データレート1500MHz)にOCした2種類のテストを行いました。 Radeon HDのオーバークロックにはRivaTuner 2.05を用いました。 また、事前にこちらの方法にてBIOSを書き換え、コアクロックの固定化を行っています。 ■GeForceとRadeonの"画質" ビデオカード関連のwebページを徘徊していると、稀に「RadeonはGeForceよりも2Dの画質が良い」等といった書き込みを目にすることがあります。真偽については使ってみれば一目瞭然だとか、そんなの只の都市伝説だとか色々あったりするわけですが、今回筆者もRadeonシリーズを初めて購入したということで、GeForceシリーズとの"画質"の違いを比べてみました。この辺りは完全に主観となってしまうんですが、その辺りはご承知願います。 両社のビデオカードはアナログ接続ではどうもクロックだかピッチだか判りませんがともかく出力信号に微妙なずれが存在するようで、液晶モニタで同じ設定のまま両者を接続すると発色がおかしくなったり輪郭がにじんだりといったことが起こります。この違いというのが同じGeForce同士ならまだ誤差の範囲で済むんですが、7600GSとHD2600PROだと洒落にならないにじみが発生します。この辺モニタ切替器なんか使用して1台のモニタで2台のPCを運用している方はすぐに判ると思います。この設定についてはLCDのAuto調整機能を使用することで解決できるかと思いますが、前述したように1つのモニタで切替器使って2台のPCを使用してる方は、片方Radeonで片方GeForceというのはやめておいた方が良いと思います。切り替える度に調整行う必要が出てくる恐れがありますから。 話が逸れましたが、とりあえず両者を比べてみた感じ、デフォルトのカラー設定ではGeForceは『明るく鮮やか 画質としてどちらが良いかって言われると、これは使ってるモニタにもよると思いますし、人によって好みもありますから一概にどちらが良いとは言えない気がします。私個人の意見では長く慣れ親しんだGeForceの方が好みかなという感じですが、たぶん目に優しいのはRadeonの方じゃないかと思います。あとS端子でTV出力したりする場合もRadeonの方が良いかも。 でもDVI液晶使ってる人にとっては正直どっちでもいいって話かもしれませんが。 |
各種ベンチマークソフトによるパフォーマンスの計測 以下では、各種3Dベンチマーク系ソフト(主に無料のもの、但し一部有料版を含む)を用いて、各種ビデオカードのパフォーマンスを計測します。 ※テスト実行時のPC環境
※以下のコメントについては、8800GTを後から追加したため8800GTについてのコメントは含まれていません。 GeForce8800GTについてのコメントがごらんになりたい方はこちらの8800GT専用レポートページをごらんください。 ■3DMARK系
8600GTは3DMARK05においては異方性フィルタリング(AF)やアンチエイリアス(AA)の設定に拘らず7600GS、GS-Zよりも優勢なようですが、反面旧世代のベンチマークにおいては逆転される場面も出てきています。 Radeon HD2600PROの結果は特徴的で、3DMARK05においてデフォルトの設定においてはOCの有無に拘らず7600GS-Zに差をつけていますが、AA/AFをかけた途端OC版は8600GTに迫られ、非OCについては7600GS-Zよりもスコアが低くなってしまっています。 3DMARK05においてはだいたい8600GTS>=7900GS-XXX>7900GS>8600GT≒2600PRO GDDR3、その他においてはだいたい7900GS XXX>8600GTS>7900GS>2600PRO-OC≒8600GTという図式が成り立ちそうです。 ■3DMARK06
3DMARK06についてはAA/AFを動作させるとGeForce7ファミリーはSM3.0/HDRテストが動作しないため、総合スコアが非掲載となっています。3DMARK06だけでなく、他のベンチマークソフトにおいてもGeForce7シリーズはAA 4xまでしか選択できないのに対し8シリーズは16xまで選択できたりと、アンチエイリアス処理に関しては現行カードの方に利があるようです。 標準設定での総合スコアでは多くの解像度において8600GTS>7900GS XXX>2600PRO OC≒7900GS>8600GT>2600PRO>7600GS-Zの並びとなっていますが、一部高解像度条件にて8600GTSが7900GS-XXXに逆転を許す場面も見られます。2600PRO-OCはスペック的にはだいたい2600XT GDDR3版と同等程度なので、2600XTを参列させたとしたら8600GTS以下8600GT以上の位置に入ると思います。 各テストを細かく見ていくと、SM2.0のテストにおいてはGeForceファミリーは順当に8シリーズが7シリーズを上回っていますが、ここでも高解像度では7900GS-XXXと8600GTSの逆転現象が。反面Radeon HDはいまいちスコアがふるわず、2600PROは8600GTはおろか7600GS-Zを下回ってしまっています。しかしRadeon HDは解像度が大きくなった場合のスコアの落ち込みがGeForceよりも小さいようで、解像度が上がるにつれてスコアが有利になっていき、Full-HD解像度においては2600PRO-OCと8600GTのスコアが逆転しているのは興味深い点です。 Pixel shaderテストは旧世代の7シリーズの結果がかなり健闘しており、全体を通して7600GS-Zが8600GTを上回り標準設定においては8600GTSに迫る結果、7900GS-XXXに至っては完全に独走状態となっています。Radeonはこのテストにおいては更に大きなアドバンテージを見せ、2600PRO-OCが8600GTSやノーマル7900GSすらもを押さえ込み、OCなし版も8600GTSと並ぶ健闘を見せています。しかしAA/AF設定を行ってテストした途端Radeon群のスコアが大きく落ち込み、OC版2600PROは7600GS-Z以下まで、OCなし版に至っては通常の7600GSと同程度までfpsが下がってしまいました。しかしここでもRadeonの解像度の優位性が若干出ており、2600PRO-OCはFullHD解像度において7600GS-Zを逆転しています。 Vertex shaderテストは8600シリーズの圧倒的優位となっており、Radeon HD2600PROがそれにやや離れて追従する形となっています。しかしAA/AF設定を行った場合このアドバンテージは小さくなり、アーキテクチャの設計上7シリーズより得意なはずのこのテストでも7900GS-XXXに逆転を許してしまっています。RadeonはAA/AFかけるとスコアが一気に7600GS-Z以下まで落ちてしまいます。ここで地味に目を引くのが7600GS-Zの結果で、AA/AF設定や解像度の設定による変化が他モデルと比べてかなり小さく、設定によっては8600GTとfpsが逆転する場面も見られています。この辺りの挙動はGeForce8シリーズやRadeonHDシリーズと違い、シェーダユニットが固定となっているためかもしれません。 メモリフィルレートに関してはメモリバンドの広い7900GSの完全独走状態となっています。7600シリーズとバンドが同じ8600GTSは、7600GS-Zにすらスコアで抜かれてしまっています。 ■ゲーム系ベンチマーク1
ロストプラネットのスコアについては、標準設定では現行の8シリーズやRadeon HDが旧世代ビデオカードよりも優位となっており、さすがに7900GS-XXXには僅かに及ばないもののミドルレンジカードである8600GTSがノーマル版7900GSを完全に抑え込んでいるのが特徴的です。しかしこれがhigh設定となると話は変わってきて、8600GTSは7900GSに及ばなくなりRadeonシリーズは7600GS-Z以下のスコアまで後退してしまいます。 Company of HeroesではRadeon HD2600PRO-OCがGeForce8600GTSを突き放すという現象が起こっており、高解像度においてはOCなしの2600PROも8600GTSを上回っています。しかし描画負荷の高くなるHigh設定においては優位性が失われてしまっており、OC有でも8600GTと同等程度になってしまっています。ここでも8600GTSはノーマル版の7900GSに勝っていますが、高解像度・高負荷条件となるとやはり逆転されてしまうようです。 Aquamarkは無料版の標準設定で計測を行っているものですが、だいたい3DMARKと同じような並びになるようです。過去に所持してたビデオカードのベンチ結果はFX5600が25000、6600無印が40000、6600GTが75000弱、7600GTが100000程度と、だいたいnVidiaの公称するランク順と並ぶ感じです。 既に過去のベンチマークソフトですが、7900GTX程度の性能ならばまだフレームレートが頭打ちにならずに(200〜300fpsとかまで上がる)超高速で終了するので、最近のカードでもそれなりにスコアが取れるベンチマークですね。 Radeonシリーズのスコアが掲載されていませんが、これはベンチマークは最後まで走るものの最後のスコア表示画面が出ずにプログラムが強制終了してしまうためです。fpsはそれなりに出ていたので、スコアが出ていたとしたらそんなに悪くないと思います。 各ソフトの設定は以下の通りです。標準設定はノーマル7600GSで自動設定にしたもの、高設定は同じく7600GSで設定できる最高の設定にしたものです。
■ゲーム系ベンチマーク2
タイムリープぶーとべんちについては標準設定はAA及びHDR以外の全てのオプションON、エフェクト紙ふぶき、服装デフォルト。高設定はそれにAA4xとHDRを加えた設定で行っています。標準設定・高設定共にSM2.0のエフェクト負荷をかける設定になっているためか、完全にGeForce優位な結果ですね。あと7600GS-Zが8600GTを完全に上回っていたり、メモリバンド幅が違う7900GSを抜きにすればGeForceシリーズの中ではほとんど動作クロック順適な並びになっています。そしてやはりここでも8600GTSと7900GSの高負荷逆転現象は起こってしまっています。 それにしてもこのベンチマークソフト……エロゲの癖に1280x960の最高画質設定で快適といえるフレームレートでプレイするにはGeForce 7950GTないし7900GTX程度の性能が必要になるって話ですか?そんな阿呆な・・・ ゆめりあベンチマークはリリース当時は萌えベンチに属するイロモノと思われていましたが、意外にもベンチマークソフトとしての性能が評価され国内では定番化してますね。3D性能を計る上で優秀かというと一概にそうとは言えない気がするんですが、ベンチマークソフトの中では実行時間がかなり短くて手軽なのと、VGA意外のPC性能にほとんどスコアが引っ張られないので純粋にビデオカードの性能が評価できるので使いやすいんですね。 このベンチマークについては画質最高設定でこそ何とか8600GTSが面目躍如というかぎりぎりのラインで7600GS-Zに対する優位を守っていますが、その差はほとんど誤差程度のごく僅か、しかも画質それなり設定のSVGA以上では完全に7600GS-Zに敗北してしまいます。このベンチマークにおいてはフィルレートの高い7600GS-Z(たぶん7600GTも)がかなり有利であると言えると思います。 というか8600GTSのスコアがふるってないだけで、GeForce7900GSのスコアはぶっちぎってます。ゆめりあベンチはメモリフィルレートが大きく影響してくるベンチマークソフトらしいので、このベンチマークを基準にしてしまうと現行のミドルレンジビデオカードの印象はかなり悪くなってしまうと思います。 面白いのがRadeonHDで、どういうわけか描画負荷に結構な差があるはずの最高設定とそれなり設定のスコアにほとんど差が出ていません。(そして、WindowsXP環境下においては髪の毛の描画がバグってしまうという現象が・・・)このためそれなり設定での結果は7600GS以下というかなり印象悪い結果に・・・。最高設定においてはOC版とOC無が8600GTを挟み込む形で、それなりに順当な位置になっていると思います。 YS-11ベンチはあまり負荷の高くないベンチマークですが、ここでは8600シリーズが優位となっています。Radeonはここでも特徴的な結果を見せており、ウィンドウモードでの結果が(AA有でも)GeForceより高いのに、いざフルスクリーンモードになると7600GSノーマルにさえ完全に逆転されてしまいます。 FFXIベンチマークは旧世代もいいとこですしCPU依存率も高くベンチ結果もほとんど頭打ちになってるのであまり参考にならない気がしますが、それでもまだFFXIベンチの結果を重視する方は結構いるようなので一応スコアは取ってみました。こちらでもRadeonHDのスコアが奮っていないというか、OC版がOC無し版よりも下のスコアになってしまうというありえない事が起きていたりします。 どのカードでもFFXIをプレイする上で必要十分以上の性能は出ていますし、ベンチ中にストレスを感じそうなコマ落ちなども全く起こっていませんので、自分でやっといて何ですがFFXIのベンチ結果については気にしない方向で。 ■OpenGL系
3DMARKのPixel shaderテストともまた違う傾向ではあるんですが、AAをかけるとやはり今までの傾向と同じく若干優位性は失われるものの全体を通してRadeon優位という結果になりました。さすがに7900GSは高いスコアを出しているようですが、AAかけるとGeForce7シリーズのスコアは完全に失速してしまいます。 CrystalMarkのテストでは全体的に旧世代の7600GSやGS-Zが優位になっています。ただ、7900GTXを使ってもOGLのスコアは43000程度だったり、逆に旧世代の6800Ultraで100000近いスコアが出たりするベンチでもあったりしますので、あくまで参考程度にとどめておくのが良い値かもしれません。 ■結論! ベンチマークスコアを見ていただければ一目でお判り頂けたかと思いますが、8800GTのスコアが他をぶち抜いて圧倒的です。下位モデルの8600GTSよりも倍以上のスペックを持った化け物カードです。専用レポートの方を読んで頂けたならばお判りかとは思いますが、現行のリファレンスモデルは放熱に問題があるものの、ビデオカードとしては2007年一番のヒット製品と言われており、パフォーマンスは\30000という価格を差し引いてもすばらしいものがあります。 Full-HD解像度での3Dゲームにも十二分に耐えられるものですので、ビデオも見たい、ゲームもしたいという方にとっては現状ではかなり良い選択肢だと思います。 各種ベンチマークの結果において、例外はありますが8600GTSは多くの場面においても7600GS-Zを上回っていますので、とりあえずはGeForce 7600GTを比較対象として考えるのはやりすぎでしょうね。7900GSと比べても多くの場面で上回るようなのですが、高負荷条件化においてはかなりの頻度で8600GTSと7900GSの逆転現象が発生してしまうようでした。性能的には現状では7900GSとだいたい同等もしくは若干上程度の製品として考えて良いかと思いますが、高解像度・高付加環境での使用や、メモリフィルレートにパフォーマンスが大きく左右されるアプリケーションを使用する場合等は7900GSに若干劣る場面も見られるかもしれません。しかし最近は8600GTSの価格もかなり下がってきていますので、これから8800GTの256MB版が発売されて更に価格帯が下がってくるようであれば8600GTSも選択肢として十分にアリだと思います。 但し、これがGalaxyとかのOC版との比較となると話は別で、元クロックが低くマージンが大きいためオーバークロックを行った際のスコアの上がり幅のインパクトは7900GSが上になると思います。ですのでOC常用をデフォルトとして考えている人にとっては8600GTSはやや魅力の薄い製品じゃないでしょうか。7900GSもごく少数市場に残っている在庫が捨て値で裁かれることがたまにあるようですので、そういう人たちは並んででも79GSを、もしくはもっとステップアップして7950GTとか79GTX辺りを狙った方が良いかもしれません。 8600GTについては7600GS-Zを上回る場面もありましたがその逆の場面も結構見られ、オーバークロックしたGalaxyの7600GS-Zに対し優位に立っているかと言われると正直微妙です。まあこれについてはそれに比較対象がOC版っていうのがいけないという話もありますが。あとは8600GTSをダウンクロックしただけなので純粋に8600GTとは呼べず、いろんな所のベンチ結果を見てると8600GTはうちのテストよりも若干高いスコアが出てる所が多いので、恐らく純正8600GTと7600GTとを比べた場合は8600GTがやや優位に立てるんじゃないかと思います。価格も7600GTより若干高い程度ですし、6600GTとかからの買い替えならパフォーマンスは十分だと思います。ただ7600GTからだと体感できる性能差はあまりないと思うので、既に7600GTや7600GSのOC版を持ってる人にとってはちょっと微妙な気がします。 Radeon HD2600PROについてはどう言ったらいいのやら・・・・・・低負荷設定のゲームでは結構良いスコア出してたり、解像度によるスコアの落ち方が全体的にGeForceより小さかったりと特徴はあるんですが、どうにもアプリケーションによってパフォーマンスにムラが大きい気がします。この辺り、「これはこっちより性能良いぞ」っていう感じでシンプルに評価し難い部分があるので、ちょっと選択が難しい所です。とりあえずGDDR3版については少なくとも7600GSよりはパフォーマンス高いとは思うんですが、ものによってはその優位性がほんの少ししかなかったりなので、DDR2版では下手すると7600GS下回る事もあるんじゃないかという気がします。 クレバリーオリジナルの2600PROについてはそれなりにオーバークロックもできてとりあえず7600GSに差をつける程度のパフォーマンスも得られましたし、HDCP対応、HDMI端子つきのビデオカードでUVDという付加価値を考えるとOC前提で使用するならば価格対効果は上々だと思いました。思ったとおりクーラーは静かで結構冷えますし。今までGeForce一辺倒で通してきた私ですが、この結果ならサブマシンの7600GSを2600PROに入れ替えても良いかなと思いました。 蛇足ですが、リテールクーラーは全体的に1スロットで結構うるさいのが多いので(SmartFan機能使って回転数抑えたCore2Quad Q6600(G-0)のリテールクーラーよりうるさい)、PCの静音性も重視してる方はZALMANクーラーで2スロット占有してるやつとか、もしくはメーカーオリジナルの大型クーラー搭載してるモデルを考えた方が良いと思います。 あと8600GTSは結構発熱大きいので(負荷かけるとリテールクーラーで70℃弱くらいになる)、ファンレスモデルはエアフローに自信がなければ止した方が良さげ。 ちなみに今回購入したHD2600は室温26℃、定格でこんな感じ。 コアクロックを800MHz、メモリクロックを800MHzまでオーバークロックした状態でこんな感じです。 本テストに用いた各種ベンチマークソフトウェアのダウンロード先 3DMARK2001 SE 3DMARK03 3DMARK05 (AA/AF/解像度設定のできないBasic版は無料。本テストで用いたPro版は有料) 3DMARK06 (AA/AF/解像度設定のできないBasic版は無料。本テストで用いたPro版は有料) http://www.futuremark.com/download/ Lost Planet 無料体験版 DX9版 http://jp.slizone.com/object/lostplanet_jp.html Company of Heroes 体験版(容量2GB近いので回線細い方は注意) http://www.4gamer.net/patch/demo/coh/coh.shtml タイムリープぶーとべんち(元ネタが18禁ソフトメーカーらしいので閲覧の際は注意) http://xoops.frontwing.jp/product/timeleap/download.html ゆめりあベンチマーク http://www.yumeria.com/download/mark.html (ゆめりあベンチの解像度が640x480しか選べない件については2chの該当スレッドを参照の事) http://pc11.2ch.net/test/read.cgi/jisaku/1189959243/l50 YS-11 プライド オブ ジャパン ベンチマーク体験版 http://www.4gamer.net/patch/demo/ys11/ys11.shtml Aquamark3 http://cowscorpion.com/CPU/AquaMark.html Final Fantasy XI Official Benchmark Vana'diel Bench ver.3 http://www.playonline.com/ff11/download/media/benchmark01.html oZone3D OpenGL Fur Rendering Benchmark http://www.ozone3d.net/benchmarks/fur/ CrystalMark2004 / CrystalMark2004R2 http://crystalmark.info/software/CrystalMark/ |