アクリルケースな小型PCを自作しよう。


完成予想図。

#0 スペック、使用パーツの製作開始当初の予定
ケース

寸法:DxHxW=
228x262x68(mm)
アクリル板 450x600 3mm厚 1枚 \1200
アクリル板 300x300 2mm厚 1枚 \250
スイッチキット \500
リセットスイッチ \200
電源関連LED \300
ネジ、止め具類 \1000
径の小さめな薄型静音FAN x適量 \3000
マザボ ASUSTek P5VD2-MX \5980
CPU Intel Pentium E2140 \10480
メモリ 適当なバルクDDR2-667 1GB \3600
HDD WesternDigital 2.5インチSATA 80GB \5980
電源 SevenTeam ST-220FAB \5480
CPUクーラー リテールクーラー改 \0


#1 CPUクーラーを作成しよう

今回は厚さ7cm以下クラスのPCを目指してるのでリテールクーラーでも高さが邪魔。
そこで、E6600のリテールクーラーをぶった切って背の低いクーラーを自作してやることにします。


Core 2 Duo E6600のリテールクーラー。PentiumEシリーズのクーラーは中に銅芯入ってないんですが、
Conroeコアの高位CPUは中心に銅芯が入っており、廉価CPUのクーラーよりよく冷えるようになってます。
今回はこいつを\100均で買ってきた金のこ使ってガリゴリ削ってやりました。

入刀。

ガリゴリと削ります。
ところが削り初めてから1時間、金のこの弓の高さが明らかに問題ありな事に気づく。
ある程度削り進むと弓がひっかかってそれ以上進めないわけなんですよこれが。
急遽近くのホームセンターで弓の深い金のこを買ってきて続行。金鋸\680也。

やっと半分まで達したの図。長かった。ここまで2時間かかりました。
そして・・・
ようやく斬り終わりました。施工時間4時間半。金鋸を変えたせいか後半は割とスムーズに進みました。
ヒートシンクの高さ実にマザーボード面から28mm。


削っただけでは粉吹いてて汚い…というか周りの回路短絡させる恐れがあるので、耐水鑢使ってきれいに磨きました。
CPUクーラー完成。



#2 各種パーツ


マザーはMicroATXサイズで横幅が短く、それなりにOCができてかつグラフィックもちゃんとしてるP5L-MX。
GMA950なめちゃいけませんよ。Vistaだって動くんですから。



電源はSeventeamのFlexATX電源、ST-220FAB。厚さ4.3cm、横幅8cmという1U電源よりも更に小さいサイズです。
こいつをPCIスロットの上あたりに設置してやる予定。



HDDはとりあえず2.5インチのSATA接続のものとか決めてたんですが、80GBと120GBとで迷いました。
たまたまアークでWesternDigitalの型落ちモデルが安く売ってたのでこちらに決定。



・・・メモリは正直動けば何でもよかったと思っていた。今は反省している。
・・・結局後でTeam Eliteの1GBメモリを4枚購入。



FANもいくつか購入。写真はScytheの鎌風の風9.2cm。FANコン付きの可変速FANです。



CPUはE2160はやめてとりあえずアレンデールコアのE4300を購入。



#3 エアフローの調整

とりあえず各パーツを組み込んで電源ピン直結して簡単な動作テストを行ったわけなんですが・・・

Superπ 4M桁 + 3DMark03完走後、
MB温度:62℃。




・・・945G、お前もか。

もう無駄に熱いのはnForceだけで結構ですよ。AMDの690Gとかは結構発熱少ないって噂なのにintelときたら・・・

当初、こんな感じで各パーツ配置するつもりだったんですが、

はっきりいってこんなのはチップの発熱を無いものと仮定した上での強引な配置なので、このマザーでこれやるのはちょっと無理。
初めからある程度覚悟はしてたんですが、光学ドライブを内臓させるのは中止です。



正直、これで丁度良いくらい。これでもまだ若干サウスブリッジが暖かいです。つーかサウス熱いぞこのマザー。
ただ、こんなFANをいくつも付けてたんじゃ箱内でのケーブルの取り回しに問題が出ますし、何より静音性に問題が出てしまいます。


そこで、CPUファンを可変速のものに換装してそのエアフローでチップも冷やす作戦に出ました。

ただ、これだとノースは十分に冷えるんですが、特に熱いサウスブリッジの冷却にはちょっと力不足。
更に実際にはサウスブリッジの上部は電源で塞がれる予定なので、このままでは熱暴走の危険すらあります。




そこで、秘密兵器を用意。

帯電防止処理の施されたメタクリル板から切り出した2枚のブレードを使います。




ノースブリッジからサウスブリッジに向けてブレードを配置。
上部は電源が塞ぐので、出口にFANを設置すればちょうどダクトの役割を果たします。



#4 ケース設計図

各部位の壁の切り出し

4
5
0
m
m
8
1
m
m
上部
215mm
8
1
m
m
底部
215mm
2
7
0
m
m
前面
81mm
2
7
0
m
m
後面
81mm
2
6
0
m
m
側面1
(MB台側)
215mm
2
6
0
m
m
側面2
(蓋側)
215mm
.
600mm


前面部分(単位はmm)

25 16 14 20 10 14 6 10 90 40 25
10
16
9
10
5
6
4
6
6
10

切抜 電源スイッチ
切抜 USBポート
切抜 リセットスイッチ
切抜 FANコントローラ
切抜 前面FAN


後面部分(単位はmm)

13 158 5 82 12
10
9
10
30
13
9
切抜 ○ ○ ○ ○ ○ ○
○ ○ ○ ○ ○ ○
切抜
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○


上面部分(単位はmm)

215
81


底面部分(単位はmm)

215
81


側面1(MB台側)部分(単位はmm)

15 204 20 21
49
132
22
12
(赤部分にMB固定用のネジ穴)


側面2(蓋側)部分(単位はmm)

22 23 46 23 146
43
23
46
23
80
切抜



#5 アクリル板の切り出し

さあ、もっとも手間のかかる作業、ケース作りです。


\100均で買ったハンドソーでとりあえず大きく6枚に分断。

FANの穴はドリルで開けた穴から糸鋸で。

だいぶできてきたの図。紙は組み上げまではがしません。

鋸で切った断面。ごつごつしてます。

鋸処理のままだと汚いので金やすりで表面を平らに磨きます。

更に、#320→#600→#1000の順にサンドペーパーで研磨。

で、とりあえず切り出しが完了した感じ。エッジバイオレットの板なので光に反射して薄青く光ってます。
中央に見える細かい板はスイッチになる部分です。

こちらはサンドペーパー仕上げから更にアクリル研磨剤で磨いたもの。ほぼ平らでほぼ透明。



#6 ベンチマーク参照とクロック設定の調整


AdvancedタブのJumperFree Configurationより
OC設定を行います。

AI OverClockingがAutoになってますので、
Manualに設定します。

今回FSBは333、2997MHzで動作させます。
メモリクロックは833MHz
……ところがこのマザー。
CPUのFSBはそこそこ回るくせに
メモリクロックがあまり回りません。
元々DDR2-667までの対応なので、
750MHzを超えた辺りから超不安定になります。
しかも1MHz単位でのクロック設定はできないので
833MHzの下は一気に600MHz台になるという・・・

なので、今回はノースの電圧水増ししてやります。

MCH Chipset Voltageを上げてやります。

833MHzで動作させるには最大設定の
1.65Vにしないとだめでした。



Superπ

残念。20秒は切れませんでした。でもまあ、E6600定格より全然速いです。



CrystalMark

メモリとCPUの値が素敵です。



HDBench




N-Bench

GMA950もやればできる子なんですよ。
実はこれ、メモリOCせずにDDR2-667のシングルでやると3DのOverAll 2000切るんです。
DVMTモードでグラフィックにメモリ最大量割り当てた上で、
メモリ自体もデュアルチャネルで高速なやつ使うと3Dは劇的に速くなります。
メモリクロックがかなりボトルネックになるんですよね。



WindowsVista Exprerience Index

まあそれなりに回ります。グラフィック3.4なのでAeroも全く問題なく動くはず。



FFXIベンチマーク ver.3.1

FFベンチはHighモードが4000に届きそうな勢いです。



ゆめりあベンチ
最高 それなり
640x480
1024x768
2048x1536

とりあえずまあまあ。GeForce6150と互角くらい?



大航海時代オンライン ベンチマーク

以前測ったGeFX5600より速い。



AquaMark

こっちはFX5600に若干及ばないくらい。



3DMark03

こちらはFX5600に勝利。ちなみに7600GSがだいたい10000弱くらいのスコアで、6600無印が5000くらい。

3DMark06

こっちは最低限Ge6世代以降のグラボ向けの重いベンチなのでスコアも奮いません。
でもFX5600よりかは速いんだ・・・






#7 ケースの組み上げ

とりあえず、セロファンテープで仮留め。



これをベースに、スイッチ類とか金具とかをねじ込んでいきます。


あとはスイッチ類とか接着剤で着けて。ケース本体の方は今回は可能な限り接着剤は避ける方向でいきます。



#8 完成。

前面のつまみはサイドFANのコントローラ。PCIスロットは電源で埋まってます。

9cmのサイドファン。青く光る。
吸気→メモリに吹き付けた後、横の穴から風が出てきます。

前面の4cmファン。ノース・サウスを冷やした後、
こちらから風が出ていきます。
前面排気構造はちょっとうざいかもしれない。

スイッチ・USBの類。板を切り抜いた端材で作成。

エアフローの問題上HDDは最上部に配置。

大きさ比較。


縦x横はほぼMicroATXマザーと同サイズ。


比較といえば、タバコ。



#9 実際のスペック、使用パーツ
ケース

寸法:DxHxW=
228x262x68(mm)
アクリル板 450x600 5mm厚 1枚 \2415
スイッチキット \230
リセットスイッチ \230
電源関連LED \298
ネジ、止め具類 \660
径の小さめな薄型静音FAN x適量 \1460
マザボ ASUSTek P5L-MX \8980
CPU Intel Core 2 Duo E4300(Allendale 200x9) \15150
メモリ Team Elite DDR2-800 1GB x2 \9700
HDD WesternDigital 2.5インチSATA 80GB \5980
電源 SevenTeam ST-220FAB \4850
CPUクーラー リテールクーラー改 \0
OS Gentoo Linux \0
\49953

よし5万切った。