☆PIF (Parity Inner Failure) -PI修復不可能エラー-

PIFとは、"Parity Inner Failure"の略で、ECCブロック内のROW単位でカウントされます。
PI修復後、修復しきれなかったエラーが一つのROWの中に5バイト以上あると、そのROWがPIFとしてカウントされます。
つまり、一つのECCブロック内で発生し得るPIFの数はPIEと同じく208です。
この値がPIEと大きく意味を違える部分はその定義にあり、『5バイト以上』という定義よりお察しの通り、4バイト以下のエラーは無視されます。
PIEはROW内に1バイトでもエラーが存在すれば、そのROWをまるごと一つのPIEとして報告しますので、そのROW内にどれだけの数のエラーが潜んでいるかを知る事はできません。
対してPIFは『5バイト以上』という深刻なものだけを報告しますので、大きなエラーを抱えているROWの数を知ることができ、データとしての信頼性を強く提示することができます。(つまり、PIEが大量に発生していてもPIFが発生していなければ、データの読み出しは可能)

DVDの規格上、1つのECCブロック内に発生するPIFは4つを超えてはいけないことになっています。



※BenQドライブでの特殊なPIFの例

いきなり別の話になりますが、通常DVDドライブは違うECCブロック単位での計測を同時に行うことはできません。
例えばプレクスターのドライブは8ECCと1ECCを別々に計測してPIEとPIFを計る必要がありますね。
だから、本来厳密な意味でのPIEとPIFの8ECC/1ECC同時計測は不可能なわけです。
例えばLITEONドライブなんかは全部1ECCで計測して、PIEについては8つごとに合算して8/1ECCとしてるわけですが、
BenQドライブの場合は最初から8ECCで計測してるので、PIFを1ECCに分離して表示することはできませんので、
PIFも8ECC Sumで計測されて、仮想的に16を許容値として表示されてます。
また、PIFの算出方法も他とは少し異なって、他がPI修復後のrowを参照しているのに対し、BenQドライブは
PI修復を行う前に参照し、エラーバイトを6個以上含むrowをPIFとして検出するという手法を取っています。
なので、BenQドライブのPIF値は所謂emulation的なものであり、規格上正しい基準値ではありません。
まあそれでも、それなりに実績もありますし全く信頼できないっていうわけではないんですけれども。