☆POE (Parity Outer Error) -PO修復可能エラー-

POEは、"Parity Outer Error"の略で、名称の意味としてはPOで修復できるかもしれないエラーのことを指します。
しかし、困った事にこの値、計測するソフトやらドライブによって意味合いが全然異なっており、私の知る限りでは3種類存在します。

(1). PO = PIF 説
  昔のバージョンのkprobe等がPIFをPOと表記していた為、現在でも最も多くの人がこの解釈を用いていると思われます。
実際PIF(PI修復不可能)=POE(PO修復可能)はある意味では正しいのですが……
現在のバージョンのkprobeではPIFと表記されてますし、実際に計測されているのはまぎれもないPIFなわけですから、POと表記するのをやめたのでしょう。

(2). pioneer DVR-1xx系ドライブ + DVDInfoProのPO値
  DVDInfoProで計測を行なう際、計測に使用するドライブにpioneer製のドライブを選択すると、『PIF』の表示が『PO』に変わります。
わざわざ表示を変更している事からも判る通り、この計測ではPIFではなくPOEが計測されています。
では、PIFと何が違うのかというと、それはPIFの定義に関係してきます。
PIFの定義については「PI修復後5バイト以上のエラーを抱えているROW」をカウントするものだということは前項で解説済で、それに付随して4バイト以下のエラーが無視されているという事も解説したかと思います。
DVDInfoのPO計測では、それら4バイト以下のエラーも含むエラーをROW単位でカウントし、レポートします。
このため、POEはPIFに比べてかなり大きく発生しますので、この仕組みを知らない人にとってはかなり印象の悪いグラフとなるでしょう。
PIFと違い残った全てのエラーをレポートしてくれますので、ドライブのPI修復の精度がはっきりと確認できます。

(3). Plextools PI/PO Burst test/BenQ Advamced Disc ScanのPOE値
  PlexToolsのPOEはバーストエラーの発生しているROWをカウントしレポートします。
バーストエラーはランダムエラーと相対する位置にあるエラーで、それぞれ適した修復方法が異なります。
ランダムエラーとは、例えば連続したデータ上に粉を撒いたようにぽつぽつと散在するエラーの事を指します。
対してバーストエラーとは、記録時にディスク面についていたゴミが原因で一部分が焼きムラになってしまっているような状態…
つまり、大きな範囲にわたって固まったエラーの事を指します。
これらのカウント基準の詳細についてはPlexToolsのマニュアルには記載されておらず、
管理人自身も以前シナノケンシ様へ問い合わせてみたのですが明確な回答が頂けなかった為正確な所は不明です。
ただ、8ECC Sumで計測が行われているのでPIFは正しく検出できないので、おそらくそれを補完するために
連続して検出されたPI修復後エラーを表しているんじゃないかと思います。