☆ピット・ランド・グルーブ等の記録面の物理特性について


ここでは初心者の為のDVD入門(3)と(4)で扱ったDVDの記録方式についての詳細について扱います。
DVDディスクはレーザー光を記録面に照射し、その反射率の違いによってデータを読み取る事は前章で述べました。
では、そのメカニズムとかはどうなってるのかという内容について簡単に触れておきます。

まずはDVD-ROMディスクの記録方式から。
DVD-ROMは入門編(4)で記述した通り、記録面の凹凸によって反射率を変えています。
この凸面の部分を
ピットと言い、ここに当たった光は乱反射してピックアップへ反射されなくなります。
対して、ピットの刻まれていない部分のことを
ランドと言い、ここに当たった光は反射層によりピックアップ部分へ反射されます。
ピット信号は
単一の信号ではなく、CDやDVD、Blu-ray等の物理フォーマットにより最大長と最小長が定められており、
記録面には
色々な長さのピットが刻まれています。
(後のTA Testの解説部で述べますが、3T〜14Tという長さまでの全部で10種類のピットが用いられます)
これがある一定の間隔
(トラックピッチ)ごとに記録面に円周状に刻まれており、ドライブユニットはこれを読み込んで0と1のデジタル信号に変換します。(単にピット部分を0、ランド部分を1とするのではなく、其々の切り替わり部分を1、平坦部分を0として読み込みます)


ところがデータの記録されていないブランク状態のディスク場合、データを刻んでいるピットがまだ存在しない状態なわけですから、そのままではドライブ側がトラックの位置を特定することができません。
そこで、市販されているDVD-R等のディスクには予め
グルーブと呼ばれる記録ガイド用の溝が設けられており、ピックアップユニットはこれを検出してデータをその溝部分に記録していきます。
このランドとグルーブを配置したフォーマットのことををランド・グルーブ方式といいます。
(ただ、実際のランド・グルーブ方式はグルーブ部分だけでなくランド部分にも記録できたりしますしアドレスエリアなんてものも存在しますので、正確には微妙に異なります)
但し、実際のDVD-Rディスクにはこの方式が採用されているわけではなく、下記のウォブル・グルーブ方式が採用されています。



ウォブル・グルーブ方式では更にグルーブ(溝)部分に一定周期のウォブル(うねり)を加えたものです。
このウォブルとランド部に一定の規則で刻まれた
ランドプリピットによってデータのアドレッシングを行います。
このウォブル・グルーブ方式が、DVD-R及びDVD-RWに用いられているフォーマットです。
また、DVD+Rや+RWの場合はこれよりも更にウォブルの細かい高周波ウォブルを用いた方式が用いられており、そのためDVD-Rディスクよりもアドレッシング技術に優れた規格になっています。管理人はどちらかというと+R派なのでぶっちゃけ言ってしまうと、-R系ディスクよりもフォーマットとして規格として優れてます。
DVD-RAMには更にアドレスエリアを設けてランド部分にもデータを記録するウォブル・ランド・グルーブ方式が用いられていますが、RAMについては管理人自身があまり興味ない上によくわからんことも多いため当サイトでは深くは扱いません)