☆ライトストラテジ

前項で触れた通り、DVD-Rの記録面にはウォブリングされたグルーブが刻まれており、
そこに長さ3T〜14Tまでの12種類の長さを持った信号(焼き跡)とスペース(空白部分)を書き加えて記録を行います。

しかしこのマークを記録する際、ただ単にレーザーを単一の強さで記録面に一定時間照射したのでは
例えばレーザーの照射熱でその周囲までにじんでしまったり、またポリカが熱を持ってしまったりして
記録信号にムラや歪み、位置ずれ等が生じてしまいます。(JitterやBetaに現れてくる記録品位の劣化です)
それでもただ単に記録された信号をポジションとして読み出すだけならばさほど問題はないのですが、
前項でもちらっと触れた通りDVD-Rは記録された信号の両端を認識するエッジ記録方式を採用しており、
特に信号のエッジ部分の位置がずれると困った事になるわけです。
これをレーザー出力のマルチパルス変調により緩和しようというのがライトストラテジです。
製造者IDやランドプリピットに埋め込まれたコード等の情報を基にドライブがこれを判断し、
最適なライトストラテジを用いることで良好な記録状態を得る事ができます。

従って、ドライブ側が情報を持っていない未知のメディアを使用した場合や、
素材特性を無視して著名メーカーのIDを盗用した詐称メディアでは良い結果は得られません。
どのドライブがどのメディアのストラテジ情報を持っているのかについては、
メディアのManufacturer IDを確認した上で、MediaCodeSpeedEdit等のツールで調べると良いでしょう。