☆ブルーレイディスクの層構造


ブルーレイディスクのDVDとの違いは使用されるレーザー波長、トラックピッチなど様々ですが、
ディスク自体の製法や構造がそもそも違ってくる点も重要になります。

DVD-Rがそれぞれ射出成型機で成型された0.6mm厚のマスター基盤とダミー基盤を
2枚貼り合わせることで製造されていた事はDVDの解説で述べていた事と思います。
ところがBlu-ray discの場合はこれとは根本的に異なり、貼り合わせという作業自体がそもそも行われません。

下図はDVD-RとBD-Rの層構造の大まかな比較です。上側がレーベル面です。
DVD-Rは記録面に対する保護層が0.6mm厚であるのに対し、BD-Rはわずか0.1mmの厚さしか存在しません。
この0.1mm厚の極薄基盤は貼り合わせによってではなく、反射層が形成された基盤上に直接スピンコートにより生成されます。



ところがこのBD特有の構造により困った事が発生しておりまして、保護層を薄くしたため
レーザー照射時のスポットが小さくなりキズ等の影響を非常に受けやすくなってしまい、
Blu-ray discはとてもキズなどの外的損傷に弱いという問題を抱えていました。
(HD DVDはDVDと同じく0.6mm基盤の貼り合わせ方式を採用していたため、このような問題は起こらなかった)
そのため初期はディスクをカートリッジで保護する形態を取っていましたが、これだとディスクが無駄にでかくなってしまいます。
そこで、TDKが開発した「Durabis」技術、いわゆる同社が販売する「スーパーハードコート」の技術を規格そのものに採用し、
保護層が一定以上の硬度を持つ事を規格上で定めることにしました。これによってBDはキズに対する脆弱性を克服しています。
言ってしまえば、TDKという企業があったからこそ今Blu-rayのベアディスク規格が成立し得ているともいえます。



また、ブルーレイディスクはDVDディスクと製法が違うため、リブ(ディスク内周にあるリング状の出っ張り)が
DVDとは逆側、つまりレーベル面側のみに付いています。
そのため、うっかりスピンドルケース内でDVDと重ねて収納してしまったりするとディスク面同士が触れ合ってしまい危険です。
BDとDVDは構造的に別物です。双方は分けて管理するように心がけましょう。