☆HLとLTH

HL、HTL(High to Low)とは、記録面に対して記録した部分の反射率が低くなり、これによってピットを形成する手法の事を言います。
HLは従来のCD-RやDVD-Rなどに用いられてきた一般的な手法であり、無機盤のBD-Rにも用いられています。

これに対してLTH(Low To High)とは、記録が行われた部分の反射率が高くなり、これによりピットを形成する手法です。
LTHは有機色素盤のBD-RやHD DVDに用いられており、
グルーブ上のピットの状態は下図のようになり、HLとLTHはちょうど位相の反転した信号であることが判ります。
このため、LTHに対応していないプレイヤー等では読み込むことさえ不可能になります。






HD DVDも信号形式が有機はLTH、無機はHLになっていることから、
恐らく青色レーザーを用いる高密度ディスクではLTHにしなければいけない理由があったのでしょう。
何故LTHでなければならなかったのか、その理由については今度調べてみます。


Blu-rayやHD DVDの有機色素ディスクがLTHでなければならなかった理由ですが、
知っての通りブルーレイディスクというのは青色レーザーを用いて記録しています。
波長というかスペクトルで示すとこんな感じ。

右が長波で左が短波。右側の外が赤外線、左側の外が紫外線と呼ばれているものです。

で、現在DVD-Rとかに使われているHTLの有機色素は、
極大吸収波長(その物質が最もよく吸収する光の波長)がレーザー光よりも短波に設定されていて、
これをそのまま青色レーザーに適用した場合、吸収する波長が紫外線領域と被ってしまうために
UV耐性が著しく低下してしまうという問題が発生したそうです。




なので、そういう問題が起きないようにLTHを採用したと、そういう事だそうです。