DVDドライブの騒音値比較
〜動作音の一番静かなドライブはどれだ〜


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Sound Level Meter (騒音計)

  • 計測方法
ここに示す騒音値はIEC651 TYPE2規格準拠普通騒音計を用いて、ドライブベゼル前面部から水平位置で約13cm
(ジュエルケースの短い方の幅)だけ離れた位置からテスト記録時の騒音値をA特性、C特性の2種類において計測したものです。
A特性は高周波域、C特性は低周波域を検出するための特性です。例えばA特性とC特性の幅が大きいLH-18A1P等のグラフでは
低周波域の音を強く検出しており、「ブーン」という唸るような感じの音が鳴っているという事を示しています。
逆にこの幅が小さいグラフでは、高周波域(「シャー」という感じの回転音)という感じの音が鳴っていることになります。
(ってかなりいい加減な説明ですが・・・)A特性とC特性、両者の変動を比較してご覧下さい。

また、dB(デシベル)の単位は単に数値が倍になればうるささも倍になるという値ではありません。詳しくは下に示す比較表をご覧下さい。

グラフ縦軸は音圧値(dB)、横軸は記録開始からの時間(分)を示しています。
尚、測定の際にはファンレス・無音化したPCの固定位置にドライブを取りつけて計測しています。(ネジは4本留め)
測定値は500ミリ秒ごとに計測された値の2秒間平均を、8x〜18xでは10秒、6xでは20秒、4xでは30秒ごとにサンプリングしています。
無騒音状態での計測値はA特性が37.8dB、C特性が47.7dBです。

音響レベルで計測しろだとか、普通計測距離は1mだろうとか色々突っ込みどころが満載だとは思いますが、その辺をちゃんとしようとすると
もっと高価な精密騒音計と防音室環境が必要になってしまいますので、あくまで簡易計測、参考値として捉えてください。








  • dB比較表
一般的な参考値
100dB 電車が通るときのガード下
90dB 騒々しい工場の中
80dB 地下鉄の車内
70dB 電話のベル
騒々しい街頭
60dB 静かな乗用車
普通の会話
50dB 静かな事務所
40dB 図書館
30dB 郊外の深夜
実測参考値(A特性)
口笛(測定距離13cm) 約95dB
扇風機(強 測定距離13cm) 約92dB
コオロギが鳴く朝の庭 約40dB
蝉が鳴く昼の林 約52dB
朝霞基地から飛んでくる自衛隊の大型ヘリ 約61dB
近所のおばちゃんが布団叩く音 約62dB





Test Result.



※騒音値の計測はほぼ無音となる真夜中限定で行う必要があるため、作業がなかなか進みません。
ここに掲載されていない他の機種についてまったり追加していく予定です。





現時点での結果

高速記録時
DH-20A3P >> DVR-212 > AD-7173A > LH-18A1P > LH-20A1S > PX-760A > DW1670 > DVR-A12

低速記録時
LH-18A1P >> DVR-212 > AD-7173A > LH-20A1S > DH-20A3P > PX-760A > DW1670 > DVR-A12

<―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――>
うるさい                                                                   静音


 全体的にNECチップ系のドライブはうるさいです。8倍がZCLV挙動なので8倍焼きも静かに焼けません。
 パイオニアのドライブは(静音ユーティリティ未使用の状態において)バルク版とリテール版でかなり騒音値が異なります。静かなの欲しい人は多少高い金払ってもリテール版買った方が良いと思います。
 LITEONはスピンドルモータ部等の改良前の個体がLH-18A1P、改良後の個体がLH-20A1Sです。やはりこの辺りの改良によって騒音は改善されている模様です。






20倍速記録
LITEON
LH-20A1S




A特性ピーク
56.4dB

C特性ピーク
59.0dB
さすがに20倍速焼きでは静音っていう言葉は遠のきます。普通にうるさいです。・・・が、下のよりはマシ。
LITEON
DH-20A3P




A特性ピーク
56.0dB

C特性ピーク
61.8dB
C特性は見事に60超え。もはや語る必要もなく爆音です。なめんな。





18倍速記録
パイオニア
DVR-212




A特性ピーク
59.2dB

C特性ピーク
59.3dB
DVR-212はディスク回転時の風切り音が大きく、高速記録時は他のドライブよりも騒音値はかなり大きくなります。
静音性を謳っているDVR-A12とはまた違うのかもしれませんが、バルク版はお世辞にも静かなドライブとは言い難いです。
パイオニア
DVR-A12




A特性ピーク
51.9dB

C特性ピーク
54.0dB
同パイオニア社の静音ドライブ。さすが4000円高いだけあってそのグラフは目を見張るものがあり、他社の16倍速記録より静かです。
というかこんな風に数値化して初めてベゼルデザイン以外の所で4000円の価値がありありと見えてくる事にびっくりです。
LITEON
LH-18A1P




A特性ピーク
55.7dB

C特性ピーク
57.9dB
LH-18A1Pはディスクスピンアップ時に唸るような騒音を上げることから爆音ドライブとされていますが、18x時の騒音値は
DVR-212に比べれば数値的には低めに見えます。ただA特性とC特性の値に開きがある点から判る通り、
どちらかといえばブーンと唸るような音なので嫌いな人は耳につくかもしれないです。
LITEON
LH-20A1S




A特性ピーク
55.6dB

C特性ピーク
56.2dB
スピンドルモータ改善版のLH-20A1S。改善前版の18A1Pと比べてC特性、A特性ともかなり改善されているのが判ります。
それでも決して静かとは言えない音ではありますが、まあ平凡レベルの動作音にはなっていると思います。
LITEON
DH-20A3P




A特性ピーク
55.6dB

C特性ピーク
61.9dB
これはもはやドライブメーカーのイヤガラセとしか思えないような超々爆音機。いやもう静音化PCナメてるとしか。
C特性が軽々と常時60dB超えてるあたり只者ではない空気がふんだんに薫り高く以下略。
ともかく、18倍速記録においては他社のドライブを軽々とぶっちぎり信じられないほどの爆音轟かせる迷惑な機体です。
プレクスター
PX-760A




A特性ピーク
55.6dB

C特性ピーク
55.6dB
PX-760Aは18倍速記録時は他ドライブよりやや静かです。しかしグラフ見ても判る通り低周波域の騒音が不定期に変動し、
また最外周部分では実は回転数がやや上がるため、その部分だけ騒音値が大きめになるという特徴があるようです。
ソニーNEC
Optiarc
AD-7173A




A特性ピーク
57.0dB

C特性ピーク
57.9dB
DVR-212ほどではないですが、18x焼き時の騒音値はやや大きめです。18xっていうスピードだと低周波音の方が目立ちますが、
これもどちらかといえばシャーという感じの高周波音の強いドライブです。





16倍速記録
パイオニア
DVR-212




A特性ピーク
56.3dB

C特性ピーク
57dB
ほぼ18倍速時と同じような結果です。シャーッという風切り音が大きく、かなりうるさいです。
パイオニア
DVR-A12




A特性ピーク
50.7dB

C特性ピーク
53.1dB
16倍速記録時においてもやはりバルク版よりも良い結果です。4000円すごい。
BenQ
DW1670




A特性ピーク
51.9dB

C特性ピーク
52.7dB
16倍速での記録にしてはなかなか優秀といえる結果です。実際他のドライブと比べてもかなり静かです。
LITEON
LH-18A1P




A特性ピーク
52.1dB

C特性ピーク
56.4dB
18倍速は普通だったんですが、16倍速だとA特性とC特性の開きが非常に大きくなっているのが判ります。
A特性低いのにC特性はDVR-212並みの騒音値で、実際にも唸るような音がかなり大きく、動作中耳につく嫌な感じの騒音です。
LITEON
LH-20A1S




A特性ピーク
52.3dB

C特性ピーク
56.0dB
こちらはLH-18A1Pとそんなに変わらない結果。五月蝿いはずなんですがなぜか18Aほどのうるささは感じません。
LITEON
DH-20A3P




A特性ピーク
51.8dB

C特性ピーク
54.0dB
超爆音ドライブ20A3Pですが、どうやら16倍速では落ち着くようです。
プレクスター
PX-760A




A特性ピーク
52.1dB

C特性ピーク
53.2dB
動作音はDVR-212やLH-18A1Pなんかと比べれば余程静かです。変な特徴も無いごく普通のグラフです。
ソニーNEC
Optiarc
AD-7173A




A特性ピーク
55.6dB

C特性ピーク
55.8dB
18xのときは目立ちませんでしたが、16x焼きになると高周波音域の音圧レベルが他と比べてかなり高いのが目に付きます。
DVR-212よりは僅かに下回りますが、それでも回転音は結構うるさいです。





8倍速記録
パイオニア
DVR-212




A特性ピーク
55.6dB

C特性ピーク
55.8dB
LH-18A1Pと好対照な結果で、こちらは高周波の騒音がかなり目立つ結果です。
8倍速での記録時も「シャーッ」って音がかなり目立つんですよこいつ。
パイオニア
DVR-A12




A特性ピーク
48.3dB

C特性ピーク
51.7dB
C特性が最後まで下がらずに難儀しましたが、やはりリテール版は静音性に優れています。
BenQ
DW1670




A特性ピーク
49.7dB

C特性ピーク
52.1dB
P-CAV速度で記録してる割には割と落ち着いたグラフだと思います。ただ、デフォルトではスピンダウンまでの時間が
やや長めのドライブのようなので静音PCに使うつもりならその辺調節してやるべきかもしれないです。
LITEON
LH-18A1P




A特性ピーク
49.0dB

C特性ピーク
57.0dB
C特性の突出が非常に大きく目立つ、かなり異形と言えるグラフで、3:00地点あたりまで唸るような音がかなり目立ちます。
このドライブはどうやら回転数6500rpm付近の時にこのような低周波騒音を撒き散らすすごく迷惑な特性があるようです。
スピンアップ時にもこの回転数で回転するようなので、爆音ドライブと捉えられるのも仕方ないのかも・・・・・・
LITEON
LH-20A1S




A特性ピーク
47.7dB

C特性ピーク
52.9dB
LH-18A1Pの徹は踏まず、しっかりと騒音がおさえられています。
LITEON
DH-20A3P




A特性ピーク
46.7dB

C特性ピーク
51.9dB
18倍以上はかなりうるさかったですが、8倍速記録ではこんなものです。
プレクスター
PX-760A




A特性ピーク
50.7dB

C特性ピーク
51.9dB
760Aは8倍速記録においてはなかなか静音性は高いようです。ちなみにsilent modeはoffにしてあります。
但し最外周付近において低周波の音圧がやや上がるという変な特徴があります。要は焼き終わりに少し唸るんですね。
ソニーNEC
Optiarc
AD-7173A




A特性ピーク
53.0dB

C特性ピーク
55.6dB
他のドライブと比べて書き込みにいくまでの時間がやや長めなため、前半少しふらついたグラフになっています。
このドライブもZCLV挙動のため段ができており、特に速度切り替え地点の付近ではかなりの騒音を発します。





6倍速記録
パイオニア
DVR-212




A特性ピーク
51.9dB

C特性ピーク
52.1dB
Z-CLVなので立ち上がりは8倍速と同じ初速。相変わらず風切り音が大きめです。
LITEON
LH-18A1P




A特性ピーク
48.8dB

C特性ピーク
57.9dB
立ち上がりは8倍速記録時以上の回転数となるため、16倍焼き時並みにものすごい唸ります。
記録開始後3分を過ぎる頃にはだいぶ落ち着いてくるので、それまでが我慢ですね。





4倍速記録
パイオニア
DVR-212




A特性ピーク
44.9dB

C特性ピーク
48.8dB
4倍速は終盤はほぼ無音なんですが、DVR-212は他と比べると立ち上がりやや騒音大きめです。
BenQ
DW1670




A特性ピーク
40.5dB

C特性ピーク
48.1dB
非常に静かです。ほとんど音圧の上昇がありません。
LITEON
LH-18A1P




A特性ピーク
42.7dB

C特性ピーク
48.1dB
特に問題ない凡庸なグラフ。








デジタル騒音計の入手方法

一般の家電量販店では売ってませんが、秋葉原のラジオデパートでは扱っている店もあるようです。
但し価格は\20000〜\30000程度。データロガー付きのちゃんとしたものはもっと高いですし、
RIONとかの検定付きの製品を買おうとすると\150000じゃ足りません。
別にデータロガー機能等に興味はなく、価格的に安いのが欲しい上で取引に抵抗なければ
Yahooオークションで購入するのが近道でしょう。デジタルでも1万前後で買えるものもあります。



また、A/C特性ごとの計測はできないと思いますが(多分A特性のみ)、秋月電子通商にて
騒音の測定が可能なマルチテスターが2種類販売されています。
MASTECH社 MS8209 (\5500)
TKPM6A (\3300)

海外のレビュー等を参考にする限り、MS8209は騒音計の機能についてはなかなか感度が良く
精密な測定をするのでなければ遊びには結構使えて面白いそうです。他に機能も多いですし。

TKPM6Aの方は情報少ないんですが、どうも騒音計の方が駄目っぽいです。
2chやblogなんかの情報によると無騒音状態での計測値が高すぎてローレンジの計測ができないそうです。
分解能も1dBとやや大ざっぱなので、騒音計目当てなら避けた方が無難ですね。


オークションとか見てるとアナログのが安いですけど、デジタルにしときましょう悪い事言わないから。




ちなみに、本実験で使用している騒音計は天衡商事社のAR824という機種です。







((((;゚Д゚)))ガクガクガクブルブルブル
思わず震えるクオリティ・・・


以前から検証結果の所で少しだけ触れてきたThaimediaのDVD-Rの振動問題なんですが、
2ch CDR板の「海外産」の格安DVDメディア情報・31枚目で同じような報告が相次いで出てきたので、
折角騒音値の計測してるんだからついでにThaimediaのも調べてみようと急遽思い立って実験してみました。

実験方法は上のドライブ騒音値測定方法と同じ。
記録ドライブにはPLEXTOR PX-760Aを用い(他のドライブではTMI003が16倍出せないため)、
太陽誘電のメディアと比較する形で記録時の音圧の変動を観察記録してグラフ化しました。
ブーン。







ELEXiA DVD-R 16x
(Thaimedia製 MID : TMI003)
That's DVD-R 16x
  を16倍速記録

A特性ピークが52.1dB、C特性ピークが53.2dB。16倍速としてはまあまあ静かな結果です。
ELEXiA DVD-R 16x
  を16倍速記録

A特性ピークが50.8dB、C特性ピークが56.0dB。A特性こそ誘電より低いもののC特性が突出しており、
旧駆動部搭載型のLH-18A1Pと似たような感じで振動と共に低い唸りを上げている状態。やや五月蠅いです。
(参考比較)
That's DVD-R 16x
  を18倍速記録

18倍速記録時ですらC特性ピークは55.6dBですから、下手したら誘電18倍焼きより五月蠅いってことに……。

とりあえず低周波な騒音が大きいのは判りました。
続いて8倍メディアの結果です。




LUCKYSEVEN DVD-R 8x
(Thaimedia製 MID : TMI8X001)
That's DVD-R 8x
  を8倍速記録

A特性ピークが50.7dB、C特性ピークが51.9dB。外周の方でややC特性が上昇してるのはドライブの特性です。
LUCKY~ DVD-R 8x
  を8倍速記録

A特性ピーク49.3dB、これはまあいいとして。C特性ピーク59.2dB。
4000rpm強の回転数でこれははっきり言って異音のレベルです。
外周に近づけば回転数が落ちて音圧レベルは下降に向かう筈なのに、このメディアではそれがありません。
逆に外周に向かうほどディスク回転時に発生する低い唸りが大きくなっていきます。

8倍メディアは明らかに異常と一目で判るグラフになりました。
多分これメディアの機械的特性の異常でしょうね。
例えば偏芯だとか面振れが大きかったりとか、あるいは運悪くメディアの固有振動数がまずかったとかそういうお話。
最後4倍メディア……を計測するつもりだったんですが、雀が鳴き始めたので正確な測定できなくなったのでとりあえず終了しときます。