玄人志向 GF8400GS-LE128H / SAPPHIRE Radeon HD 2400PROをGF6600-E128Gと比較する

2007年1月11日.



玄人志向 GF8400GS-LE128H


 GF6600-E128Gと比較するために購入した8400GSです。こちらも玄人志向から出ている廉価版シリーズで、世代こそ2世代後の最新ビデオカードですが同チップ搭載品のものの実勢価格よりも一回り安価で売られており、製品コンセプトとしてはGF6600-E128Gと近いものがあります。ただ、メモリ容量が128MBというのがやはりネックなのでその辺りをどう考えるかがこの製品の価値を分ける所。



玄人志向 GF8400GS-LE128H (購入価格4980円)



※GeForce ローエンドビデオカードスペック比較表
  GF6600-E128G GeForce7200GS GeForce7300LE GeForce7300GS GF8400GS-LE128H
GPUコアクロック 350MHz 450MHz 450MHz 550MHz 450MHz
メモリデータレート 500MHz 333MHz〜 333MHz〜 550〜800MHz 800MHz
メモリ帯域 128bit 64bit 64bit 64bit 64bit
VertexShader数 3 2 3 3 16SP
ピクセルパイプライン数 8 2 4 4
実勢価格(2007.12現在) 2,000円 4,500円〜 5,000円〜 6,300円〜 4,980円

 動作クロックの向上や処理ユニットの革新もあり、前世代のローエンドカードよりはかなり高速であることが予想されます。しかしメモリ帯域が64bitというマイナス点もあり、このマイナス分で6600に水をあけられてしまう可能性もあります。



カード自体はロープロファイルに対応する小ぶりな製品ですが、ヒートシンクは2スロットを占有するかなり巨大なもの。フィンの方向もサイドパネルからの吹き降ろしに適した向きになっており、ファンレスとはいえ冷却能力には期待が持てそうです。



コンデンサは日ケミのほかにTEAPOのものが複数用いられています。


こいつもGF6600-E128Gと同じく箱の中に緩衝用のスポンジすら入ってません。帯電防止袋に包まれたビデオカードがそのままポンと入ってます。




オーバークロックでパフォーマンス限界に挑戦


コアクロック メモリクロック 動作結果
550 400 正常動作
600 400 正常動作
650 400 RivaTunerではOK
680 400 RivaTunerでOCが通らない
650 430 RivaTunerではOK。
但しFFベンチが止まる
650 420 FFベンチが止まる
630 420 GVBenchがたまに止まる
620 420 正常動作

コアクロックはかなりの伸びを見せたものの、メモリが5%程度しか伸びず。
このレベルではコアよりメモリがスコアへの影響力でかいのでこれは勿体無い所。
おのれ糞メモリ積みよってからに。



大きなヒートシンクと持ち前の低発熱でファンレスでも冷やし切る



[1]. 【ファンレス無風 idle】


[2]. 【ファンレス無風 ATIToolを温度上昇が止まるまで稼動】


 サイドファンの無い無風の状態ではありますが、ロード時の温度は71℃と許容範囲内。ヒートシンク部分を素手で触ってもちょっと暖かいくらいで火傷するような熱さには全然なっていません。8400GSが低発熱であるという事もあるんでしょうけれど、やはりヒートシンクの性能も大きいのではないかと思われます。ともかく、これくらいの温度に収まるのであればファンレスでも充分常用できそうな感じです。



SAPPHIRE Radeon HD 2400PRO 256MB


 GF6600-E128Gと比較するために購入した2400PROです。SAPPHIREから発売になっているシリーズで、以前購入したZOTACの製品とパッケージングの形態がよく似ています。(といか販売元同じだし)




SAPPHIRE Radeon HD 2400PRO 256MB (購入価格4980円)



※Radeon HDスペック比較表
  Radeon HD 2400PRO Radeon HD 2400XT Radeon HD 2600PRO Radeon HD 2600XT
GPUコアクロック 525MHz 700MHz 600MHz 800MHz
メモリデータレート 800MHz 1400MHz 800~1000MHz 1400MHz/2200MHz
メモリ帯域 64bit 64bit 128bit 128bit
搭載メモリ GDDR2 GDDR3 GDDR2 GDDR3/4

 Radeon HD2000シリーズはローエンドの2400シリーズ、ミドルレンジの2600シリーズ、そしてハイエンドの2900シリーズと分布しており、PROとXTではクロックの違い、特に2400シリーズではコアクロックとメモリの差となって現れています。



 カード自体はロープロファイル対応。カード上部にせり出しているヒートシンクが特徴的です。



どうでもいいけどRadeonってGeForceと比べて電解コンデンサの数少ないの多いですよね。



オーバークロックでパフォーマンス限界に挑戦


コアクロック メモリクロック 動作結果
525MHz 850MHz 問題なし
600MHz 900MHz 問題なし
650MHz 900MHz 問題なし
700MHz 900MHz 問題なし
750MHz 950MHz 問題なし
795MHz
(設定限界)
1000MHz 問題なし
795MHz
(設定限界)
1100MHz 問題なし
795MHz
(設定限界)
1190MHz
(設定限界)
問題なし

途中からコレ本当に大丈夫かとビクビクしながらクロック上げましたが、
RivaTunerで設定できる限界クロックまで全く問題なくすんなり上がり切ってしまいました。回りすぎ。
単純にクロック数ではコア、メモリ共にリファレンスの1.5倍くらいまで上がっており、
たぶんこの動作クロックならば2400XTといい勝負ができるんじゃないかと思います。



6600ほどではないが、やはり無風運用は危険



[1]. 【ファンレス無風 idle】


[2]. 【ファンレス無風 ATIToolを温度上昇が止まるまで稼動】


 2400PROは発熱という点では小さく、特に省電力機能によるものかidle時の温度についてはファンレスとしては充分冷えています。しかしいざフルロード状態になると発熱はやや大きくなるようで、最高到達温度93℃と、GF6600-E128Gほど酷くはないもののかなり不安が残る結果となってしまいました。ゲーム等で高負荷状態が長く続く場合はエアフローを考えてやったほうがよさそうです



各種ベンチマークソフトによるパフォーマンスの計測

 以下では、各種3Dベンチマーク系ソフト(主に無料のもの、但し一部有料版を含む)を用いて、各種ビデオカードのパフォーマンスを計測します。
 

 ※テスト実行時のPC環境
    GeForce 7300GT GeForce 6600 GeForce 6600 OC GeForce 8400GS GeForce 8400GS OC Radeon HD 2400PRO HD 2400PRO OC
GPUコアクロック 350MHz 350MHz 420MHz 450MHz 620MHz 525MHz 795MHz
メモリデータレート 666MHz GDDR2 500MHz DDR 650MHz DDR 800MHz DDR2 840MHz DDR2 800MHz DDR2 1190MHz DDR2
CPU intel(c) Core 2 Quad Q6600 @ 3GHz (FSB333 x9)
マザーボード MSI P6N SLI Platinum (nForce650i SLI)
メインメモリ Team Elite PC-6400 DDR2-800 1GB x2定格
HDD Seagate ST3320620AS 7200rpm SATA2 320GB
電源 ToPower 武士 650W
OS Microsoft Windows XP Home SP2
ディスプレイドライバ Forceware 158.22 Forceware 163.71 Catalyst 7.12
オーバークロック RivaTuner 2.6

※7300GTは7600GSのピクセルパイプラインを無効化し、クロックを下げることで仮想的に再現しています。





3DMARK系ベンチマーク














 面白い事に、03以前と05以前でスコアがはっきりと分かれる形になっています。
 03以前では6600が8400GSや2400PROに対して優位に立っており、オーバークロックを行えば7300GT以上のスコアを出す場面も見られました。それに対して05以降ではスコア的には8400GSや2400PROが6600を上回っています。しかし一部重負荷環境においては8400GSが6600に逆転される場面もあり、さすがに旧世代とはいえミドルレンジはやはり強いなという印象です。
 また、05以降では脅威的なオーバークロック耐性を見せた2400PRO OCのスコアが群を抜いており、1ランク上の製品である7300GTを軽く上回ってるのが印象的です。




3DMARK06詳細





















ゲーム系ベンチマーク1















 Lost Planetのスコアでは6600は8400GSにも2400PROにも若干及ばない印象ですが、Company of Heroesでは6600>8400GSのようです。この辺はソフトによって大きくパフォーマンスが違ってきそうな感じです。
 全体としてはやはり2400PRO OCが頭一つ抜けた感じで、8400も6600もOCしてもその下の7300GTに若干及ばないって印象。



ゲーム系ベンチマーク2











 和製ゲーム系では軽いのが多いせいか、7300GTが強いです。それに続いて6600 OCといった所。このくらいの軽くてちょっと古いゲームであれば、6600が8400GSや2400PROを上回る場面も多く見られそうです。




萌え系ベンチマーク









 8400GSはタイムリープには全然向いてないっぽいですね・・・
この辺も全体的に7300GTが強い印象あるんですが、それに続いて6600 OCも頑張ってます。



OpenGL系ベンチマーク














結論

総合的にはGeForce 6600(OC) > 8400GS。でも8400GSもOCするとこれは逆転されるっぽい。
 最新のゲームとかでは8400GS > 6600 OC。

結局のところ、2400PRO OC>7300GT>8400GS OC≧6600 OC≧8400GS≧6600≧2400PRO
今回買った2400PROはオーバークロック面でちょっと回りすぎ(特にメモリ)な感があり、ほとんど2400XTのスコアです。
多分に当たりロットな気がしなくもないので、全部の個体がここまで回るものとは思わない方が良いかもしれません。






本テストに用いた各種ベンチマークソフトウェアのダウンロード先


3DMARK05
3DMARK06
http://www.futuremark.com/download/

Lost Planet 無料体験版 DX9版
http://jp.slizone.com/object/lostplanet_jp.html

タイムリープぶーとべんち(元ネタが18禁ソフトメーカーらしいので閲覧の際は注意)
http://xoops.frontwing.jp/product/timeleap/download.html

ゆめりあベンチマーク
http://www.yumeria.com/download/mark.html
(ゆめりあベンチの解像度が640x480しか選べない件については2chの該当スレッドを参照の事)
http://pc11.2ch.net/test/read.cgi/jisaku/1189959243/l50

Aquamark3
http://cowscorpion.com/CPU/AquaMark.html

Final Fantasy XI Official Benchmark Vana'diel Bench ver.3
http://www.playonline.com/ff11/download/media/benchmark01.html

oZone3D OpenGL Fur Rendering Benchmark
http://www.ozone3d.net/benchmarks/fur/

CrystalMark2004 / CrystalMark2004R2
http://crystalmark.info/software/CrystalMark/

大航海時代Online ベンチマークプログラム
http://www.gamecity.ne.jp/dol/bench/guide.htm


各種ベンチマークプログラムはこちらのベンチ結果と同じ設定にてテストしています。